第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問45
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令和3年度 下期 学科試験 問45 解説 計器用変流器の役割

⑤に設置する機器の役割は。

  1. イ. 電流計で電流を測定するために適切な電流値に変流する。
  2. ロ. 1個の電流計で負荷電流と地絡電流を測定するために切り換える。
  3. ハ. 1個の電流計で各相の電流を測定するために相を切り換える。 ✓ 正答
  4. ニ. 大電流から電流計を保護する。

解説

電流切換開閉器(AS)の役割を瞬時に見抜く

この問題は、配電盤や制御盤における「電流切換開閉器(AS:Ammeter Switch)」の機能を知っているかが問われています。選択肢にある「電流を測定するために切り換える」という点までは共通していますが、何のために切り換えるのかという「目的」に注目してください。ASの役割は、たった1台の電流計で三相回路の各相電流(R相、S相、T相など)を順次切り替えて監視することです。

機器構成と役割の定義

電気設備における電流計は、通常、変流器(CT)を介して回路に接続されます。大電流を直接計器に通すことはできないため、CTで小電流に変換してから計器に入力します。このとき、回路の各相の電流を個別に把握したい場合、通常であれば各相ごとに電流計を用意しなければなりませんが、それでは盤面が大型化し、コストもかかります。

そこで登場するのが電流切換開閉器(AS)です。ASは計器の入力側に配置され、接点を切り替えることで、1台の電流計に対して、R相のCT出力、S相のCT出力、T相のCT出力を順番に接続し直す役割を果たします。これにより、盤面のスペースを節約しつつ、各相の負荷状況を効率的に監視することが可能になります。

なぜ他の選択肢ではいけないのか

試験問題の選択肢には、紛らわしい名称が並んでいます。

・電流を変流する役割(イ)は、変流器(CT)そのものの機能です。 ・地絡電流を測定するための機器は、一般的に漏電遮断器や地絡継電器などであり、ASの役割とは異なります。 ・電流計を保護する役割(ニ)については、電流計自体が過電流に強い構造であったり、CTの二次側を開放しないよう注意したりすることが重要であり、スイッチ(AS)が保護装置として主たる機能を担っているわけではありません。

この問題の意図は、単なる名称の暗記ではなく、「電流計を効率的に運用するために、回路を切り替える機器がASである」という計装の基本概念を問うことにあります。

実務における重要性

実務において、この知識は盤設計や保守点検の現場で不可欠です。キュービクルや受配電盤の図面を読み解く際、電流計の近傍にASが描かれていれば、それは「この1台で各相の電流を見られるようになっているのだな」と即座に判断できます。

また、もし電流計の値が特定の相で異常を示した場合、ASを切り替えて各相を測定することで、負荷の不平衡(アンバランス)や単相負荷の偏りがないかを確認する診断ツールとしても機能します。試験合格後、現場で盤を開いた際に、実際にCTから伸びた配線がASを経由して電流計に繋がっている経路を追うことは、系統の理解を深める非常に良い学習機会になります。

参考リンク

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