2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問48 解説 設置する機器
③に設置する機器は。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
計器用切替スイッチ(VSやAS)の役割を理解し、パネル図面上の記号や目的と、実物の形状を照らし合わせて選定します。写真問題においては、つまみの文字表示(R、S、T、OFFなど)が決定的なヒントとなります。
計器用切替スイッチの役割と構造
この問題で問われている計器用切替スイッチは、主に配電盤や制御盤において、1台の電圧計または電流計で、三相回路の各相の数値を切り替えて読み取るために使用されます。
- 電圧計用切替スイッチ(VS:Voltmeter Switch):各相間の電圧(線間電圧)を切り替えて測定します。
- 電流計用切替スイッチ(AS:Ammeter Switch):各相の電流を切り替えて測定します。
これらのスイッチは、つまみを回転させることで、内部の接点が切り替わり、計測対象となる相を変更する仕組みになっています。写真のイに見られるような文字「R、S、T」や「0(オフ)」は、現在どの相の数値を測定しているか、あるいは測定を停止しているかを示しています。
写真から判断する識別ポイント
試験の現場では、機器の外観だけでなく、盤面の設計意図を読み取ることが求められます。
- 文字表示を確認する:写真イには「R、S、T、0」と書かれています。これは電圧計用切替スイッチに見られる代表的な表記です。線間電圧を順次選択する際に、この配置が使われます。
- 形状を識別する:このタイプのスイッチは、前面に大きな操作つまみがあり、背面には多数の端子が並んだブロック状の構造をしています。ロやハのような小型の押しボタンやセレクタスイッチとは明確に区別できます。
- 目的を推察する:図面上の「③」の位置に設置されるのが「計器用切替スイッチ」であることを確認できていれば、その用途に合致する「R,S,T」の刻印があるイを選択するのがもっとも論理的です。
現場で求められる実務的知識
試験で問われるこの知識は、実際の電気工事や保守点検の現場において、配電盤の設計やメンテナンスを行う際に不可欠なものです。
計器用切替スイッチは、盤の省スペース化に大きく貢献します。電圧計や電流計を各相ごとに設置すると盤面が非常に大きくなってしまいますが、このスイッチを併用することで、計器を一つに集約できます。
現場では、スイッチの故障や接点不良によって、計器の指針が振れなくなるトラブルが起こることがあります。その際、写真のようなスイッチの文字や配置を見て、それが「どの回路を切り替えるためのものか」を瞬時に判断し、適切な交換部品を選定し、配線図に基づいて結線できる能力が、第一種電気工事士には期待されています。この問題は、単なる暗記ではなく、計測回路の構成を理解しているかを問う良問と言えます。