第一種電気工事士試験 / 2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問33
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2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問33 解説 ケーブルラック施工

④に示すケーブルラックの施工に関する記述として,誤っているものは。

  1. イ. ケーブルラックの長さが15mであったが,乾燥した場所であったため,D種接地工事を省略した。 ✓ 正答
  2. ロ. ケーブルラックは,ケーブル重量に十分耐える構造とし,天井コンクリートスラブからアンカーボルトで吊り,堅固に施設した。
  3. ハ. 同一のケーブルラックに電灯幹線と動力幹線のケーブルを布設する場合,両者の間にセパレータを設けなくてもよい。
  4. ニ. ケーブルラックが受電室の壁を貫通する部分は,火災延焼防止に必要な耐火処理を施した。

解説

この問題は、受変電設備の図面において配線支持構造物を正しく識別できるかを問うものです。図中(4)は、多数のケーブルを束ねて天井から吊り下げ、水平方向に支持・保護するための「はしご状」または「パンチングメタル状」の構造物を示しています。この形状と機能から「ケーブルラック」と即座に判断できます。

配線支持物の形状と特徴

試験に出題される配線支持方式には、いくつかの種類があります。それぞれの構造を知ることで、図面を見た瞬間に識別が可能になります。

・ケーブルラック はしご形や底板のある形などがありますが、最大の目的は重量のある多芯ケーブルを長距離にわたって保持することです。開口部が広いため放熱性に優れ、増設や変更が容易なのが特徴です。図面では側面から見た際にラック状の構造が見えたり、平面図でケーブルの通り道として描かれます。

・金属ダクト 鉄板などで囲まれた中空の構造物です。ケーブルや電線を内部に納めるため、機械的な保護性能が極めて高いのが特徴です。ケーブルラックと異なり、中身が見えない「蓋付きの箱」のような形状です。

・ライティングダクト 照明器具を自由な位置にスライドさせたり、取り外したりするためのダクトです。主に店舗やオフィス天井に見られ、中に給電用の導体が通っています。小型でスリムな形状が特徴です。

・バスダクト 電線の代わりに導体バー(バスバー)を絶縁支持して、ダクト内に収めたものです。大電流を扱う工場や受変電設備間の接続に使用されます。太い電流を通すための頑丈な箱というイメージです。

図面から情報を引き出すステップ

試験において図面問題を解く際は、以下の順序で情報を整理します。

  1. 設置場所の確認: その設備がどこにあるかを確認します。今回のように受変電設備周辺であれば、高圧や低圧の大容量ケーブルを運搬するための経路である可能性が高いと予測します。
  2. 形状の確認: 天井から吊り下げられている様子や、断面図の形状を観察します。網目状や横桟が見えるものはケーブルラックです。
  3. 消去法の活用: 選択肢の中で、用途が全く異なるもの(例:照明用のライティングダクト)を排除し、構造の似ているものとの違いを比較します。

現場で求められる知識の背景

この問題が問う知識は、単なる暗記ではなく、現場における「設計」と「施工」の理解を前提としています。例えば、ケーブルの重量が重い場合や、将来的な増設を見込む必要がある場合には、ケーブルラックが選定されます。一方、粉塵の多い環境や機械的衝撃からケーブルを守る必要がある場所では金属ダクトが選定されます。

第一種電気工事士の試験では、こうした「なぜその工法が選ばれるのか」という実務的な背景を理解していることが、単なる名称当て以上の重要な評価軸となります。図面を見る際は「なぜここにこれが配置されているのか」という施工上の合理性に意識を向けることが、合格への近道です。

参考リンク

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