第一種電気工事士試験 / 平成30年度 第一種 筆記試験 / 問40
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平成30年度 第一種 筆記試験 問40 解説 電気事業法と調査

電気事業法において, 電線路維持運用者が 行う一般用電気工作物の調査に関する記述と して, 不適切なものは。

  1. イ. 一般用電気工作物の調査が4年に1回以上行われている。
  2. ロ. 登録点検業務受託法人が点検業務を受託している一般用電気工作物についても調査する必要がある。
  3. ハ. 電線路維持運用者は, 調査を登録調査機関に委託することができる。
  4. ニ. 一般用電気工作物が設置された時に調査が行われなかった。 ✓ 正答

解説

この問題は、電気事業法で定められている一般用電気工作物の調査に関する知識を問うものです。正解の選択肢は「ニ」で、一般用電気工作物は設置時(使用開始時)に必ず調査が行われる義務があるため、「調査が行われなかった」という記述は不適切と判断できます。

一般用電気工作物の調査義務とその重要性

電気事業法は、電気の安全かつ安定的な供給を確保するための法律です。特に、一般家庭や小規模店舗などで使われる「一般用電気工作物」は、専門知識を持たない利用者が多いため、その保安確保が非常に重要視されています。

電気事業法では、電線路を維持運用する者(一般的には電力会社などの送配電事業者)に対して、この一般用電気工作物が安全に設置・維持されているかを確認するための調査を義務付けています。この調査は、火災や感電事故などを未然に防ぎ、公衆の安全を守るための大切な役割を担っています。

調査のタイミングと頻度

一般用電気工作物の調査には、主に二つのタイミングがあります。

  1. 設置時(使用開始時)の調査: 最も重要な調査の一つが、一般用電気工作物が**設置された時(使用開始前、または使用開始後速やかに)**に行われる調査です。新築の家や店舗に電気が引き込まれ、初めて電気を使用する際には、その設備が技術基準に適合しているかを必ず確認する必要があります。これは、その設備が最初から安全な状態で運用されるための、いわば「スタート地点での点検」であり、非常に重要な義務です。選択肢「ニ」の「一般用電気工作物が設置された時に調査が行われなかった」という記述が不適切であるのは、この設置時の調査が法律で義務付けられているからです。

  2. 定期調査: 使用開始後も、設備は経年劣化したり、使い方によって不具合が生じたりする可能性があります。そのため、電気事業法施行規則では、4年に1回以上の頻度で定期的な調査を行うよう定めています。選択肢「イ」の「一般用電気工作物の調査が 4 年に 1 回以上行われている」という記述は、この定期調査の規定に合致しており、正しい内容です。

調査の実施主体と委託

この調査を実施する主体は、原則として「電線路維持運用者」です。しかし、電線路維持運用者だけですべての一般用電気工作物を調査するのは現実的に困難な場合もあります。そのため、電気事業法では、電線路維持運用者が、経済産業大臣から登録を受けた「登録調査機関」に調査業務を委託できると定めています。選択肢「ハ」の「電線路維持運用者は, 調査を登録調査機関に委託することができる」という記述は、この規定に基づき正しい内容です。

登録点検業務受託法人との関係

選択肢「ロ」にある「登録点検業務受託法人が点検業務を受託している一般用電気工作物についても調査する必要がある」という点についてです。 一般用電気工作物の所有者や占有者は、自主的に保安を確保するために、登録点検業務受託法人に依頼して電気設備の点検を行うことができます。しかし、これは所有者等の自主的な取り組みであり、電線路維持運用者の調査義務を免除するものではありません。

電線路維持運用者は、登録点検業務受託法人が行った点検の結果記録を所有者等から提出された場合、その記録の内容を確認することをもって、自身の調査に代えることができるとされています。しかし、これはあくまで「記録確認による代替調査」であり、全く調査が不要になるわけではありません。そのため、「調査する必要がある」という記述は正しいと言えます。保安の最終的な責任と義務が電線路維持運用者に課せられていることを理解しておくことが重要です。

なぜ設置時の調査が不可欠なのか

電気工事士の皆さんにとって、設置時の調査の重要性は特に理解しておくべき点です。電気工事が完了し、いざ電気が使用される際には、その設備が安全基準を満たしているか、工事に不備がないかを確認する最終的なチェックが不可欠です。この調査が行われなかった場合、初期段階での不具合が見過ごされ、重大な事故につながるリスクが格段に高まります。

この問題は、電気事業法における電気保安の根幹に関わる知識であり、電気工事士として現場で働く上で、どのような法規に基づいて安全が守られているかを理解しておくことは非常に大切です。


参考リンク

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