第一種電気工事士試験 / 平成30年度 第一種 筆記試験 / 問26
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平成30年度 第一種 筆記試験 問26 解説 配線器具の施工

設問図

写真に示す配線器具を取り付ける施工方法の記述として,不適切なものは。

  1. イ. 定格電流 20 A の配線用遮断器に保護されている電路に取り付けた。 ✓ 正答
  2. ロ. 単相 200 V の機器用コンセントとして取り付けた。
  3. ハ. 三相 400 V の機器用コンセントとしては使用できない。
  4. ニ. 接地極には D 種接地工事を施した。

解説

写真に示されたコンセントの定格を正確に読み取り、その情報に基づいて各選択肢の記述が電気工事の原則や関連法規に照らして適切か不適切かを判断するのが、この問題の解き方です。特に、回路を保護する配線用遮断器の定格と、接続されるコンセントの定格の関係が合否を分けるポイントとなります。

写真のコンセントの識別と定格

写真に写っている配線器具は、接地極付のロック式コンセントです。中央に「30」と明記されていることから、このコンセントの定格電流は30Aであることが分かります。また、差し込み口の形状(L字型ブレードと横向きブレード、および接地極)から、定格電圧は250Vと判断できます。このタイプのコンセントは、主に単相200V系の機器接続に用いられます。

この情報を基に、各選択肢の記述を詳しく見ていきましょう。

  • イ. 定格電流20Aの配線用遮断器に保護されている電路に取り付けた。 写真のコンセントは定格電流30Aです。これを定格電流20Aの配線用遮断器(ブレーカー)で保護された電路に取り付けるという記述です。 「電気設備の技術基準の解釈」第149条第3項には、「分岐回路の電路に施設するコンセントは、当該分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流が20Aの場合にあっては、定格電流20A以上のものを使用すること」と規定されています。この条文に照らすと、20Aのブレーカーに対して30Aのコンセントを使用することは、技術基準上は許容される範囲にあります。つまり、30Aコンセントが20Aブレーカーの回路に接続されても、20Aを超えた電流が流れるとブレーカーがトリップするため、コンセントが焼損するといった直接的な危険は生じにくいと考えられます。 しかし、電気工事の実務においては、過電流遮断器の定格電流とコンセントの定格電流は、原則として一致させるか、コンセントの定格電流がブレーカーの定格電流をわずかに下回るものを使用することが、「適切な設計」とされています。30Aのコンセントに20Aのブレーカーでは、そのコンセントに30Aまで流せる機器を接続すると、わずか20Aを超えた時点でブレーカーが頻繁にトリップすることになり、コンセントの持つ本来の能力を活かせず、利便性に欠けます。また、誤って容量の大きな機器が接続され、頻繁なトリップが発生することで、回路の誤用や故障の原因となる可能性も考えられます。 したがって、この記述は技術基準に直接違反するものではないものの、実用性、安全性、および適切な設計の観点から「不適切」な施工と判断されます。

  • ロ. 単相200Vの機器用コンセントとして取り付けた。 このコンセントの定格電圧は250Vです。単相200Vの機器は、250V定格のコンセントに接続できるため、単相200Vの機器用コンセントとして使用することは適切です。

  • ハ. 三相400Vの機器用コンセントとしては使用できない。 このコンセントの定格電圧は250Vであり、三相400Vの電路には対応していません。異なる電圧の機器が誤って接続されることを防ぐため、各電圧に応じた専用のコンセント形状が定められています。したがって、「三相400V用としては使用できない」という記述は適切です。

  • ニ. 接地極にはD種接地工事を施した。 200V系のコンセントや、水気のある場所、危険な場所などに設置される機器用コンセントには、感電防止のために接地(アース)が必須です。電気設備の技術基準の解釈第149条第1項にも「電路に施設するコンセントは、接地極付コンセントであること」と定められています。一般的に、対地電圧が150Vを超える電路に接続される機器や、その他の条件に該当する場合、D種接地工事が必要となります。このコンセントは200V系であるため、D種接地工事を施すのは適切な施工です。

以上の検討から、記述イが電気工事の実務における「不適切」な判断であるため、これが正解となります。

電気工事の実務における適切な判断基準

この問題は、単に電気設備の技術基準の条文を暗記するだけでなく、実際の電気工事において、なぜその施工が「適切」または「不適切」と判断されるのかを理解しているかを問うものです。特に、過電流保護装置(ブレーカー)とコンセントの定格の関係については、以下の点を押さえておくことが重要です。

  1. 安全の最低基準(技術基準): 過電流遮断器の定格電流よりも大きいか同じ定格電流のコンセントを使用することは、技術基準上は許容されています。これは、コンセントや電線が過電流で焼損するのを防ぐための最低限の安全基準です。

  2. 実務上の最適な設計: しかし、実務においては、過電流遮断器の定格電流とコンセントの定格電流は一致させるのが最も適切とされます。これは、回路の設計意図を明確にし、接続される機器の定格と回路の保護容量を適切にマッチさせることで、以下のメリットがあるためです。

    • 誤使用の防止: コンセントの定格に見合った機器が接続され、誤って過大な負荷が接続されることを防ぎます。
    • 利便性の向上: ブレーカーが頻繁にトリップすることなく、安定して電力を供給できます。
    • 回路バランスの最適化: 回路全体の電力使用計画が立てやすくなります。

このように、電気工事士には、法令遵守はもちろんのこと、安全性、利便性、将来的な拡張性なども考慮に入れた「総合的な適切な判断」が求められます。

参考リンク

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