第一種電気工事士試験 / 平成30年度 第一種 筆記試験 / 問14
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平成30年度 第一種 筆記試験 問14 解説 配線材料の名称

設問図

写真に示すものの名称は。

  1. イ. 金属ダクト
  2. ロ. バスダクト ✓ 正答
  3. ハ. トロリーバスダクト
  4. ニ. 銅帯

解説

写真に示されているのは、金属製の箱型構造が天井から吊り下げられ、その側面から給電プラグのようなユニットが差し込まれている配線設備です。このような、大電流を効率的かつ安全に供給するために設計された配線システムは「バスダクト」と呼ばれます。特に、側面から簡単に分岐して電源を取り出せる構造は、プラグインバスダクトと呼ばれるタイプの特徴と一致するため、「ロ. バスダクト」が正解と判断できます。

バスダクトとは? 大電流幹線を支える電気設備の要

バスダクトは、工場や高層ビル、データセンターなど、大電流の電源供給が必要な場所で幹線として使用される配線設備です。内部に複数の導体(銅またはアルミニウムの棒状の導体)を絶縁物で支持し、金属製の堅牢なケースで覆った構造をしています。

この設備が選ばれる主な理由は以下の通りです。

  • 大電流対応能力: 数百アンペアから数千アンペアという非常に大きな電流を安全に流すことができます。これは、通常のケーブル配線では導体断面積が非常に大きくなり、施工性やコスト面で不利になる場合に特に有効です。
  • 高い安全性と信頼性: 導体が金属ケースで保護されているため、外部からの機械的損傷や電磁誘導による影響を受けにくく、火災のリスクも低減されます。
  • 優れた放熱性: 金属ケースが熱を効率的に外部へ放散するため、導体の過熱を防ぎ、安定した通電を可能にします。
  • 柔軟な分岐と増設: 写真のようなプラグインバスダクトでは、専用の給電ユニット(プラグインユニット、タップオフユニットとも呼ばれます)を差し込むだけで簡単に分岐配線ができ、機械の増設や配置変更に柔軟に対応できます。
  • 省スペース: 同容量のケーブル配線と比較して、占有スペースが少なくて済み、天井裏や設備スペースの有効活用に貢献します。
  • 施工性: プレハブ化されたユニットを組み合わせることで、現場での施工時間を短縮し、工期の短縮にも寄与します。

バスダクトの種類

バスダクトには用途に応じていくつかの種類があります。

  • フィーダバスダクト: 分岐を考慮せず、電源から負荷へ直接大電流を供給する幹線として使用されます。高い遮断容量を持つ回路で使われることが多いです。
  • プラグインバスダクト: 写真に示されているようなタイプで、途中に分岐用の差し込み口(タップオフ口)が設けられており、そこから簡単に電源を取り出すことができます。工場などで機械の配置変更や増設が多い場合に特に有効です。
  • トロリーバスダクト: 内部を移動する集電子(トロリー)を介して、移動する機械(クレーン、電動工具など)に電源を供給するタイプです。選択肢の「ハ」はこの一種を指しますが、写真の機器は固定設備への分岐を目的としたプラグイン式の特徴が強く、一般的な「バスダクト」がより適切です。

他の選択肢について

  • イ. 金属ダクト: 一般的な配線保護用の金属製ダクトを指します。バスダクトも金属製ダクトの一種ではありますが、内部に絶縁された導体が収められ、大電流幹線としての機能が特化している点で区別されます。写真の機器は、単なるケーブル収納用ダクトとは異なり、専用の分岐機構が見られるため、より具体的な名称であるバスダクトが適しています。
  • ニ. 銅帯: 電流を流すための導体そのものを指します。写真は導体ではなく、導体を収めた設備全体であるため、誤りです。

なぜこの知識が第一種電気工事士に求められるのか

第一種電気工事士は、大規模な電気設備の設計、施工、保守、運用に携わることが多いため、様々な配線設備の名称、構造、特性を正しく理解していることが不可欠です。

バスダクトは、大電流設備における重要な幹線方式の一つであり、その知識は以下のような場面で役立ちます。

  • 現場での識別: 既存の工場やビルでバスダクトを目にした際に、それがどのような役割を持つ設備かを即座に判断できます。これにより、設備の状態を把握し、適切な保守計画を立てることが可能になります。
  • 適切な配線方式の選定: 新しい設備の導入や改修において、ケーブル配線、電線管配線、金属ダクト配線などと比較し、負荷の種類、電流容量、将来の拡張性などを考慮して最適な配線方式を選定する際に、バスダクトの特性を活かした提案ができます。例えば、レイアウト変更が頻繁に発生する工場では、プラグインバスダクトがコスト面や作業効率の面で優位な選択肢となることがあります。
  • 安全な作業の実施: バスダクトの構造や活線状態での作業リスクを理解し、安全対策を講じた上で点検やメンテナンスを行うことができます。特に大電流が流れる設備であるため、誤った知識での作業は重大な事故に繋がりかねません。

この問題は、単に機器の名称を暗記するだけでなく、その機器がどのような目的で、どのような場所で使われるのかという実用的な知識と結びつけて理解することの重要性を示しています。

参考リンク

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