第一種電気工事士試験 / 平成29年度 上期 筆記試験 / 問28
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平成29年度 上期 筆記試験 問28 解説 300V以下のケーブル工事

使用電圧が300V以下のケーブル工事の記述として, 誤っているものは。

  1. イ. ビニルキャブタイヤケーブルを点検できない隠ぺい場所に施設した。 ✓ 正答
  2. ロ. MIケーブルを, 直接コンクリートに埋め込んで施設した。
  3. ハ. ケーブルを収める防護装置の金属部分に, D種接地工事を施した。
  4. ニ. 機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設するケーブルには, 防護装置を施した。

解説

この問題は、電気設備の技術基準における「ケーブル工事の適用範囲」を問うものです。解くための最大のポイントは、使用される電線の種類と「施設場所」の適合性を判断することです。

ケーブル工事の基本ルールとキャブタイヤケーブルの性格

第一種電気工事士試験において、ケーブル工事とは、原則として「ケーブル」を用いて行う配線工事を指します。ここでいうケーブルとは、VVFケーブルやCVケーブルのような、固定配線用に設計されたものを指します。

一方、選択肢イにある「ビニルキャブタイヤケーブル(VCT等)」は、柔軟性が高く、主に移動する電気機器への給電や、一時的な接続に用いられる電線です。これらは「移動用」として設計されており、建物内に固定して施設する配線(隠ぺい配線など)には不向きです。経年劣化や環境に対する耐久性が固定配線用ケーブルとは異なるため、電気設備技術基準の解釈では、原則として隠ぺい場所への使用が禁止されています。

誤りを見抜くための論理的プロセス

この問題は以下の手順で検討します。

  1. 各選択肢の行為が、技術基準において許可されているかを確認する。
  2. 選択肢イ:「キャブタイヤケーブル」を「点検できない隠ぺい場所」に施設する行為。これは恒久的な固定配線となるため、移動用であるキャブタイヤケーブルの本来の用途から逸脱しており、ルール違反であると判断する。
  3. 選択肢ロ・ハ・ニが「ケーブル工事の適切な実施例」であることを確認する。MIケーブル(金属被覆された耐火性能の高いケーブル)はコンクリート埋設が可能です。金属製防護装置への接地(D種接地)や、機械的衝撃に対する防護措置も、工事上の標準的な安全対策です。

このように、消去法で選ぶのではなく、「キャブタイヤケーブル=移動用=固定してはいけない」という基本原則を即座に引き出せれば、確実に正解を導くことができます。

実務で求められる電線選定の知識

この知識は、現場での材料選定において非常に重要です。設計図面通りに施工することは当然ですが、もし図面に指定がない場合でも、施工者が「この場所は隠ぺいだからVVFを使う」「この機器は可動するからキャブタイヤにする」という判断を下す必要があります。

試験側がこの問題を出す意図は、単に禁止事項を暗記させることだけでなく、配線材にはそれぞれ「適材適所」があることを理解させ、不適切な材料選定による火災や感電のリスクを未然に防ぐ技術者を育成することにあります。現場の点検作業においても、「固定配線にキャブタイヤが使われていないか」を確認することは、基本的な保安業務の一環となります。

参考リンク

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