平成29年度 上期 筆記試験 問24 解説 分岐回路の施設
低圧分岐回路の施設において, 分岐回路を保護する過電流遮断器の種類, 軟銅線の太さ及びコンセントの組合せで, 誤っているものは。
- イ. 定格電流15A, 直径1.6mm, 定格15A
- ロ. 定格電流20Aの配線用遮断器, 直径2.0mm, 定格15A
- ハ. 定格電流30A, 直径2.0mm, 定格20A ✓ 正答
- ニ. 定格電流30A, 直径2.6mm, 定格20A
解説
この問題は、過電流遮断器の定格電流と、それに接続される分岐回路の電線の太さ(最小値)、およびコンセントの定格電流の組み合わせを問うものです。合格するためには、遮断器の定格電流を基準として、最低限必要な電線の太さを表形式で暗記しておくのが最も確実です。
分岐回路の規定一覧
分岐回路において、過電流遮断器の定格電流に応じて、使用できる電線の太さとコンセントの定格電流は以下のように定められています。
| 過電流遮断器の定格電流 | 電線の太さ(軟銅線) | コンセントの定格電流 |
|---|---|---|
| 15 A | 1.6 mm以上 | 15 A以下 |
| 20 A | 2.0 mm以上 | 20 A以下 |
| 30 A | 2.6 mm以上 (または5.5 sq) | 20 A〜30 A以下 |
| 40 A | 3.2 mm以上 (または8.0 sq) | 30 A〜40 A以下 |
| 50 A | 3.2 mm以上 (または8.0 sq) | 40 A〜50 A以下 |
この表のポイントは、遮断器の定格電流が大きくなるほど、許容電流の大きい太い電線を使わなければならないという点です。今回の選択肢ハを見ると、遮断器が30 Aであるのに対し、電線が2.0 mmとなっています。表に基づくと30 Aの遮断器には最低でも2.6 mmが必要であるため、この組み合わせが誤りであると直ちに判断できます。
思考のステップ
- 選択肢を順に確認するのではなく、まずは「遮断器の定格電流」と「必要な電線の太さ」の組み合わせが正しいかどうかを基準にします。
- 30 Aの遮断器であれば、2.0 mmではなく2.6 mmが必要であるという数値を想起します。
- 問題文から「誤っているもの」を選ぶ形式であることを再確認し、上記基準に合致しないハを選択します。
特に30 A遮断器のケースでは、2.0 mmの電線を使用すると、過負荷時に電線が過熱しても遮断器が動作せず、火災のリスクが生じる可能性があるため、基準が厳しく設定されています。
電気工事現場における実務的な意味
この問題は、電気工事の設計や施工において「もし負荷が短絡や過負荷を起こしたとき、電線が焼き切れるよりも早く遮断器が電流を止めること」を目的としています。電線が細すぎると、遮断器が保護する前に電線が溶けてしまうため、遮断器の定格電流に対して適切な太さの電線を選択することは、感電や火災を未然に防ぐための最も基本的な安全ルールです。
現場では、設計図面に基づいて配線工事を行いますが、後からコンセントを増設したり、容量の大きい機器に変更したりする際にこのルールを意識していないと、違法かつ危険な配線を行ってしまうリスクがあります。試験対策としては、単なる数字の暗記にとどまらず、遮断器の定格が上がれば、それに対応する電線も太くする必要があるという「保護の連鎖」をイメージしておくと忘れにくくなります。