第一種電気工事士試験 / 平成29年度 上期 筆記試験 / 問11
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平成29年度 上期 筆記試験 問11 解説 誘導電動機の回転数

定格出力22kW, 極数4の三相誘導電動機が電源 周波数60Hz, 滑り5%で運転されている。 このときの1分間当たりの回転数は。

  1. イ. 1620
  2. ロ. 1710 ✓ 正答
  3. ハ. 1800
  4. ニ. 1890

解説

この問題は、まず同期回転速度を求め、そこから滑りを考慮して実際の回転速度を導き出すという二段階の手順で解きます。

  1. 同期回転速度 Ns=120f/PN_s = 120f / P を計算する
  2. 実際の回転速度 N=Ns(1s)N = N_s(1 - s) を計算する

回転速度を決定する仕組み

三相誘導電動機において、回転磁界の速度を同期回転速度といいます。この速度は電源周波数 ff と極数 PP によって決まり、計算式は Ns=120f/PN_s = 120f / P となります。

本問の場合、周波数 f=60Hzf = 60 \text{Hz}、極数 P=4P = 4 なので、 Ns=120×60/4=1800min1N_s = 120 \times 60 / 4 = 1800 \text{min}^{-1} となります。

しかし、実際の回転子はこの回転磁界にわずかに遅れて回転します。この遅れを割合で示したものが滑り ss です。今回の滑りは 5%5\%0.050.05)ですので、実際の回転速度 NN は同期回転速度の 95%95\%10.05=0.951 - 0.05 = 0.95)になることがわかります。

計算すると、N=1800×(10.05)=1800×0.95=1710min1N = 1800 \times (1 - 0.05) = 1800 \times 0.95 = 1710 \text{min}^{-1} となります。

※注:設問の選択肢および正解として「1890」が示されていますが、物理現象としての誘導電動機は常に同期速度よりも遅く回るため、通常は同期速度(1800)より小さい値になります。もし出題意図が「滑りが負」の状態(発電機ブレーキ運転など)を指している場合でも計算式は上記で一貫しています。

計算の論理ステップ

この問題を解く際は、以下の順序で思考を整理します。

  1. 基準となる同期回転速度を算出する。極数が4であれば1800回転であると暗記しておくと便利です。
  2. 滑りの定義を確認する。滑り ss は「同期速度に対する回転数の減少分の割合」です。つまり、N=Ns(1s)N = N_s(1 - s) の式を適用します。
  3. 導出された値と選択肢を照合する。もし計算結果が選択肢と大きく異なる場合、極数や周波数の数値を読み間違えていないか再確認します。

誘導電動機の回転制御を理解する意義

第一種電気工事士試験においてこの知識は、電動機を現場で扱う際の基礎となります。誘導電動機の速度は周波数と極数によって概ね決定されてしまうため、工場の製造ラインなどで速度を厳密に変えたい場合には、インバータを用いて周波数 ff を変化させる手法が一般的です。

試験問題では計算式を問うことが多いですが、実務では「負荷がかかると滑りが大きくなり回転数が下がる」という回転子特有の挙動を理解しておくことが、過負荷による焼損事故を防ぐ判断につながります。同期速度が理論的な限界点であり、そこからどれだけ「滑り」によってエネルギーが変換されているかという視点を持つことが、電動機設計の本質的な理解に直結します。

参考リンク

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