平成28年度 筆記試験 問48 解説 機器の特定
③に設置する機器は。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
この問題は、高圧受電設備において受電点付近に設置される代表的な機器の外観を識別できるかを問うものです。イの画像が計器用変成器(MOF)であることを瞬時に判断できるかどうかが鍵となります。
計器用変成器(MOF)の特徴
計器用変成器(MOF: Metering Out Fit)は、高圧回路の電圧や電流を、電力量計で計測可能な低電圧・小電流に変成するための機器です。
外観上の最大の特徴は、一つの容器内に計器用変流器(CT)と計器用変圧器(VT)が内蔵されているため、ある程度の重量感があり、高圧側のブッシングが独立して並んでいる点です。選択肢のイでは、側面に「電源」と記載された端子部や、配線が集中している構造が見て取れます。これに対し、ロは単体の変成器、ハは区分開閉器(PAS/UGS)、ニは変圧器(トランス)であると、それぞれ形状から判別可能です。
現場での判別プロセス
第一種電気工事士試験の実技や現場対応能力を測る意図として、単に名称を暗記するのではなく、その機器が「何のために」「どこにあるのか」という構造的役割からアプローチします。
- 受電点付近の機器か確認する:MOFは電力会社との契約電力量を計測するために、高圧引込線のすぐ後方に設置されます。
- 内部構造をイメージする:MOFは高圧を扱うため、絶縁油が封入されているケースが多く、重厚な金属箱の形状をしています。
- 比較対象を整理する:
- ロ:小型の計器用変成器や補助変圧器など、MOFに比べて小型である。
- ハ:開閉器類は、手動操作用のハンドルや「入・切」の表示があるため見分けがつく。
- ニ:変圧器(動力用・電灯用)は、コイルや鉄心が露出または外装されており、三相分が並んでいるのが一般的。
この知識の活用と教育的意図
MOFは電気事業法に基づく計量法関連設備であり、非常に重要な機器です。実務においては、この機器の二次側から電力量計へ延びる計器用ケーブルの接続や、MOF自体の取り替え作業を行う際、その端子配列や絶縁性能の維持が問われます。
試験では、写真判定問題を通じて、受変電設備全体を構成する一つ一つの部品を独立して認識し、かつそれぞれの機能的な役割を正しく理解しているかが問われています。これは、将来的に保守・点検業務に従事した際に、異常個所や部品の適正性を瞬時に判断するための基礎力を養うことを意図しています。