平成28年度 筆記試験 問10 解説 絶縁材料の耐熱クラス
電気機器の絶縁材料として耐熱クラスごと に最高連続使用温度[℃]の低いものから高い ものの順に左から右に並べたものは。
- イ. H, E, Y
- ロ. Y, E, H ✓ 正答
- ハ. E, Y, H
- ニ. E, H, Y
解説
耐熱クラスと最高連続使用温度の整理
この問題は、絶縁材料の耐熱クラス(Y, A, E, B, F, H)と、それぞれの最高連続使用温度を暗記しているかを問うものです。温度が低い順に並べると「Y(90℃) < A(105℃) < E(120℃) < B(130℃) < F(155℃) < H(180℃)」となるため、選択肢の中でこの順番に従っている「Y, E, H」が正解となります。
覚え方の工夫
耐熱クラスはアルファベット順に温度が高くなるわけではないため、語呂合わせで覚えるのが効率的です。
よく使われる語呂合わせの例: 「ヤ・ア・エ・ベ・フ・ハ(Y, A, E, B, F, H)」 「やあ、ええ(良い)ベフ(牛の部位)は(H)おいしい」
このように、最初のアルファベットを並べてリズムよく口ずさむことで、試験中の緊張した場面でも正確な順序を思い出すことができます。特に今回の選択肢に含まれるY, E, Hは、クラスの中でも特に低い温度と高い温度の代表格ですので、この並び順を意識しておきましょう。
絶縁階級が示すもの
なぜ電気工事士の試験でこの知識が必要とされるのでしょうか。それは、電気機器の寿命が絶縁材料の温度に大きく左右されるからです。
電気機器(電動機や変圧器など)内部のコイルには被覆が施されていますが、電流を流すと発熱します。もしその発熱温度が絶縁材料の耐熱温度を超え続けると、被覆が劣化・硬化してしまい、最終的には短絡や地絡事故につながります。
設計者は、機器が想定される負荷で運転されたときに、内部の温度が「その絶縁材料の最高連続使用温度」を超えないように設計します。つまり、耐熱クラスを知ることは、その機器がどのような環境や用途(過酷な環境や高い負荷)に適しているかを見極めるための重要な指標となります。
実務への応用
現場において、この知識は機器の選定やメンテナンスで役に立ちます。例えば、周囲温度が高い場所や、頻繁に起動・停止を繰り返して発熱が激しい場所に設置する電動機を選定する際、カタログに記載されている耐熱クラスを確認することで、その機器が現場の条件に耐えられるかどうかを判断する判断材料になります。
また、古い機器の更新を行う際に、同等以上の耐熱クラスを持つ機器を選定することは、安全な電気設備を維持するための基本です。単なる暗記項目と思わず、機器の「限界温度」を知るためのスペック表の一部であると意識すると、理解がより深まります。