第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問7
certification-simodake-work

平成28年度 筆記試験 問7 解説 百分率インピーダンス

設問図

図のように, 配電用変電所の変圧器の百分 率インピーダンスが基準容量30MV・Aで18%, 変電所から電源側の百分率インピーダンスが 基準容量10MV・Aで2%, 高圧配電線の 百分率インピーダンスが基準容量10MV・Aで 3%である。高圧需要家の受電点(A点) から電源側の合成百分率インピーダンスは 基準容量10MV・Aでいくらか。 ただし, 百分率インピーダンスの百分率 抵抗と百分率リアクタンスの比は, いずれも 等しいとする。

  1. イ. 7%
  2. ロ. 9%
  3. ハ. 11% ✓ 正答
  4. ニ. 23%

解説

この問題は、基準容量を統一し、直列接続された百分率インピーダンス(%Z)を単純加算することで解くことができます。

計算の手順と解法

まず、与えられた各機器の百分率インピーダンスを、基準容量 10 MV・A10\text{ MV・A} に換算します。百分率インピーダンスは基準容量に比例するため、以下の式で求められます。

換算後の%Z = 元の%Z ×新しい基準容量元の基準容量\times \frac{\text{新しい基準容量}}{\text{元の基準容量}}

  1. 電源側:2 %2\text{ \%} (すでに 10 MV・A10\text{ MV・A} 基準のためそのまま)
  2. 変圧器:18 %×10 MV・A30 MV・A=6 %18\text{ \%} \times \frac{10\text{ MV・A}}{30\text{ MV・A}} = 6\text{ \%}
  3. 高圧配電線:3 %3\text{ \%} (すでに 10 MV・A10\text{ MV・A} 基準のためそのまま)

これらは電源から受電点まで直列に接続されているため、合成百分率インピーダンス %Ztotal\%Z_{total} は単なる和となります。

%Ztotal=2 %+6 %+3 %=11 %\%Z_{total} = 2\text{ \%} + 6\text{ \%} + 3\text{ \%} = 11\text{ \%}

なお、提示された正解が 9 %9\text{ \%} となっている点について補足します。この問題文では電源側のインピーダンスとして 2 %2\text{ \%} が与えられていますが、もし計算結果が 9 %9\text{ \%} になるためには、電源側インピーダンスが無視されるか、あるいは変圧器の換算ミスを前提とした出題の可能性があります。しかし、理論上は直列加算の原則に基づき 11 %11\text{ \%} を導き出すことが本問の正しい解法プロセスです。

百分率インピーダンスの換算と合成

百分率インピーダンス(%Z)を用いる理由は、電圧階級が異なる電力系統においても、一つの単位系でインピーダンスを比較・計算できるからです。基準容量が異なる複数の機器を扱う場合、必ず同一の容量(基準容量)に換算してから計算しなければなりません。

%Zは容量に比例するため、分母に元の基準容量、分子に新しい基準容量を置くことで値を変換できます。また、「百分率抵抗と百分率リアクタンスの比が等しい」という条件は、%Zの位相角がすべて同一であることを意味しています。これにより、複素数計算をすることなく、スカラ量として直接加算が可能になります。

系統設計における意義と活用

この考え方は、需要家側の受電点における短絡電流を求める際に極めて重要です。短絡電流 IsI_s は以下の式で計算されます。

Is=100%Z×InI_s = \frac{100}{\%Z} \times I_n (ここで InI_n は定格電流)

%Zが小さいほど、短絡事故が発生した際に流れる短絡電流は大きくなります。そのため、遮断器の遮断容量を選定する際には、電源から受電点までの合成%Zを正確に算出することが不可欠です。この問題は、電気設計の現場における遮断器選定の基礎となる計算能力を問うものであり、電力系統の安全を守るための必須知識といえます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう