平成27年度 筆記試験 問24 解説 ケーブル延線工具
写真に示す品物のうち,CVT150mm2の ケーブルを,ケーブルラック上に延線する 作業で,一般的に使用しないものは。
- イ.
- ロ.
- ハ.
- ニ. ✓ 正答
解説
この問題は、写真に示された工具の名称と、それがどのような工程で使用されるのかを理解していれば即答できます。
正解は「ニ」です。この選択肢の写真は「パイプベンダ(油圧式などの管曲げ機)」であり、ケーブルを延線するためのものではありません。他の選択肢はすべてケーブル延線作業で必須となる代表的な工具です。
延線作業に必要な工具の役割
選択肢イ、ロ、ハは、太いケーブルをケーブルラック上にスムーズかつ安全に敷設するために使用されます。
イは「ケーブルジャッキ」です。ドラムに巻かれた重量のあるケーブルを浮かせ、回転させて繰り出しやすくするために使用します。 ロは「ケーブルローラー」です。ケーブルラックの所定の位置に取り付け、ケーブルを滑らせることで、摩擦による被覆の損傷を防ぎ、引き込み荷重を軽減します。 ハは「ケーブルグリップ」です。ケーブルの先端を網目状の金属で包み込み、牽引ワイヤと接続して引っ張るために使用します。引っ張る力が強まるほど網目が締まり、ケーブルを強固に把持する仕組みです。
これに対し、ニの「パイプベンダ」は金属管工事において配管を曲げる際に使用する工具です。電気工事士試験においては、施工現場でどのような工具がどの工程で使われるかという、実務に直結した知識が問われます。
工具を識別する思考プロセス
試験会場で迷わないためには、それぞれの工具が「何を動かすものか」をイメージすることが重要です。
ケーブル延線作業という文脈では、以下のステップで工具を分類します。
- 繰り出し:ドラムを回転させる「ケーブルジャッキ(イ)」
- 支持・誘導:ラック上でケーブルを滑らせる「ケーブルローラー(ロ)」
- 牽引:先端を掴んで引っ張る「ケーブルグリップ(ハ)」
これら以外の名称や、明らかに管工事用である工具が示されていれば、それが不要なものとして判断できます。特に写真の「ニ」は、三角形の台座にポンプのような機構がついており、明らかにケーブルを滑らせるためのローラーではなく、金属管に圧力を加えて変形させるための機構を備えています。
実務と教育的意図
この問題は、実務上の「資機材の適切な選択」を試す意図があります。150平方ミリメートルという太いCVTケーブルは非常に重量があり、摩擦抵抗も大きいため、適切な工具を選ばなければケーブルの被覆を傷つけたり、あるいは過度な張力がかかって内部の導体が断線したりする恐れがあります。
現場では工具の選定ミスが事故に直結します。試験対策としては、単に名前を覚えるだけでなく、その工具を使うことでどのような物理的負荷が軽減されるのかを考えることが、現場での応用力を高める近道となります。