第一種電気工事士試験 / 平成27年度 筆記試験 / 問12
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平成27年度 筆記試験 問12 解説 電熱器の発生熱量

定格電圧100V,定格消費電力1kWの電熱器 を,電源電圧90Vで10分間使用したときの 発生熱量[kJ]は。 ただし,電熱器の抵抗の温度による変化は 無視するものとする。

  1. イ. 292
  2. ロ. 324
  3. ハ. 486 ✓ 正答
  4. ニ. 540

解説

この問題は、電熱器の「抵抗値が一定である」という特性を利用して、実際の電圧で消費される電力を求め、そのエネルギーをジュール熱として算出する手順で解きます。

計算の手順

  1. 定格状態のデータから、電熱器の抵抗 RR を求める。 R=V2P=10021000=10[Ω]R = \frac{V^2}{P} = \frac{100^2}{1000} = 10 \, [\Omega]
  2. 電源電圧が 90V90V のときの消費電力 PP' を求める。 P=V2R=90210=810[W]P' = \frac{V'^2}{R} = \frac{90^2}{10} = 810 \, [W]
  3. 発生熱量 QQ を求める。電力は単位時間あたりのエネルギー(J/sJ/s)であるため、時間 tt を掛ける。 Q=P×t=810×(10×60)=486,000[J]=486[kJ]Q = P' \times t = 810 \times (10 \times 60) = 486,000 \, [J] = 486 \, [kJ]

電熱器と電圧・電力の関係

電熱器は内部にニクロム線などの抵抗体を持っており、電流が流れると抵抗成分によって熱が発生します。このとき、電熱器の物理的な形状や材質が変わらない限り、その抵抗値 RR は一定とみなすことができます。

オームの法則および電力の式から、P=VI=V×(V/R)=V2/RP = VI = V \times (V/R) = V^2/R という関係が成り立ちます。つまり、電熱器において消費電力は電圧の2乗に比例します。この問題のように電圧が 100V100V から 90V90V に下がった場合、単に 0.90.9 倍になるのではなく、0.92=0.810.9^2 = 0.81 倍の電力になるという点が計算の肝となります。

回路計算における思考のステップ

試験では「定格」と「実際」の条件が混在して出題されることがよくあります。この問題を解く際は、以下の思考プロセスを意識してください。

まず、電熱器や電球のような「回路の末端にある負荷」については、定格情報から「その機器固有の値である抵抗 RR」を真っ先に導き出します。定格電圧と定格電力が与えられていれば、必ず RR を特定できます。

次に、その求めた RR を固定値として、実際の使用条件である 90V90V を当てはめます。最後に、求められている単位に注意します。今回は「kJ」で問われているため、ジュール(J=W×sJ = W \times s)で計算した後に、10001000 で割って単位変換を忘れないようにします。

実務および試験における重要性

この知識は、電圧降下によって機器の性能がどれだけ低下するかを見積もる際に必須となります。例えば、長い延長コードを使用して電熱器具を使う場合、配線の抵抗によってコンセントの電圧が 100V100V を下回ることがあります。

電圧が低下すると、単に「電力が下がる」だけでなく、電圧の2乗に比例して熱量が急激に減少するため、電熱器や電球のような負荷は想定よりも出力が出ない(お湯が沸くのが遅い、照明が暗い)といった現象が起こります。試験では、このように電圧と消費電力の相関関係を正しく理解できているかが問われています。

参考リンク

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