第一種電気工事士試験 / 平成26年度 上期 学科試験 / 問13
certification-simodake-work

平成26年度 上期 学科試験 問13 解説 サイリスタ回路の波形

設問図

図に示すサイリスタ(逆阻止3端子サイリスタ)回路の出力電圧 v0 の波形として、得ることのできない波形は。 ただし、電源電圧は正弦波交流とする。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ. ✓ 正答

解説

この問題は、サイリスタの「逆阻止特性」を理解しているかを問うものです。サイリスタ(逆阻止3端子サイリスタ)は、アノードに対してカソードの電位が高い「負の電圧」が印加されると、ゲートに信号を与えても電流を流さない性質を持っています。したがって、出力電圧波形に負の電圧が現れる波形を選ぶことが正解となります。

サイリスタの動作特性

サイリスタは、制御端子であるゲートにパルス信号を与えることで導通(ON)を開始し、電流を流すことができる半導体素子です。この素子の最大の特徴は、一度導通するとゲート信号がなくなっても電流が流れ続けること、そして「逆方向の電圧には電流を流さない」という整流特性を持っていることです。

電源電圧が正弦波交流の場合、プラスの半サイクルではゲート信号を与えるタイミング(導通角)を調整することで、出力電圧のON時間を制御できます。しかし、マイナスの半サイクルに入ると、サイリスタ自身が逆バイアス状態(アノード電位がカソードより低い状態)になるため、遮断状態を維持します。つまり、原理的にこの回路の出力に負の電圧は現れません。

誤答波形を見抜く思考プロセス

試験本番では、まず図の回路構成を確認します。単純な半波整流回路にサイリスタが組み込まれています。

  1. 電源が交流であることに注目します。
  2. 選択肢の中で、横軸より下に電圧が伸びている(負の電圧がある)波形を探します。
  3. 選択肢ニを確認すると、他の波形とは異なり、負の半サイクルでも電圧が出力されていることがわかります。
  4. サイリスタは「逆阻止」の名の通り、逆方向の電流を阻止するため、このような波形は出力され得ないと判断します。

パワーエレクトロニクスの基礎として

この問題は、電気設備の制御や電力変換回路における基本的な考え方を問うています。サイリスタを用いた位相制御は、照明の調光やモータの速度制御、ヒーターの温度制御など、現場で目にする多くの制御回路に応用されています。

もしサイリスタではなく「トライアック」のような双方向性素子であれば、負の半サイクルでも電流を流すことができるため、負の電圧を出力することが可能です。試験においては、使用する素子の特性(単方向か双方向か)を見極めることが、回路の動作を正しく理解する第一歩となります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう