第一種電気工事士試験 / 平成26年度 上期 学科試験 / 問11
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平成26年度 上期 学科試験 問11 解説 誘導電動機の始動方法

三相かご形誘導電動機の始動方法として、用いられないものは。

  1. イ. 二次抵抗始動 ✓ 正答
  2. ロ. 全電圧始動(直入れ)
  3. ハ. スターデルタ始動
  4. ニ. リアクトル始動

解説

この問題は、誘導電動機の「回転子の構造」と「始動方式の対応関係」を整理できているかを問う典型的な知識問題です。正解を導く鍵は、かご形誘導電動機には二次回路に外部抵抗を接続する端子が存在しないという構造上の特徴を理解しているかどうかにあります。

電動機の構造と始動方式のルール

誘導電動機には大きく分けて「かご形」と「巻線形」の2種類があります。試験で問われる始動方式は、それぞれの構造に合わせて選ぶ必要があります。

かご形誘導電動機は、回転子の導体を短絡環で閉じた構造をしています。そのため、二次側(回転子側)の回路に外部から抵抗を挿入して、始動電流を制限したりトルクを調整したりすることができません。したがって、二次抵抗始動は構造上、巻線形誘導電動機のみに用いられる方式です。

一方、選択肢にある他の方式は以下のように整理できます。

  • 全電圧始動(直入れ):電源電圧をそのまま印加する、最もシンプルな方法です。
  • スターデルタ始動:始動時に巻線をスター接続にして電圧を1/ルート3に下げ、定格運転時にデルタ接続に切り替える方法です。
  • リアクトル始動:電動機の一次側にリアクトルを直列に接続し、電圧降下を利用して始動電流を抑える方法です。

これらはすべて、一次側(固定子側)で電圧を調整する方式であるため、かご形誘導電動機に対しても適用可能です。

誤答を避けるための判断基準

問題を解く際は、まず対象が「かご形」であることに注目します。そして、「外部抵抗を接続して制御できるのは巻線形だけである」という基本原則を適用します。

この問題は、単なる暗記ではなく、なぜその始動方式が採用されるのかという「構造的制約」を理解しているかを確認しています。試験では「始動時の大電流をどう抑制するか」という課題に対し、巻線形は二次抵抗で制御し、かご形は一次側の入力電圧を工夫することで制御するという対比構造で覚えておくと、混乱を防ぐことができます。

実務現場における始動方式の重要性

電気設備の設計や保守において、電動機の始動方式の選定は非常に重要です。始動時に流れる突入電流が大きすぎると、配電系統の電圧降下を招き、周囲の機器に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

現場では、負荷の大きさと始動時の電圧降下の許容範囲を考慮して始動方式を決定します。小容量であれば直入れで問題ありませんが、中〜大容量のかご形誘導電動機ではスターデルタ始動やリアクトル始動が多用されます。この知識は、施工管理や保守点検の現場において、既存の設備がなぜその始動回路になっているのかを読み解くための基礎体力となります。

参考リンク

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