平成25年度 筆記試験 問20 解説 高圧進相コンデンサ開閉
定格容量が 50 [kvar] を超過する高圧 進相コンデンサの開閉装置として、使用でき ないものは。
- イ. 高圧真空遮断器(VCB)
- ロ. 高圧交流負荷開閉器(LBS)
- ハ. 高圧カットアウト(PC) ✓ 正答
- ニ. 高圧真空電磁接触器(VMC)
解説
容量による制限を判断の基準にする
この問題は、高圧進相コンデンサの定格容量が「50 kvar」を境目として、使用できる開閉装置が規定されていることを知っているかが鍵となります。
50 kvar を超える大容量のコンデンサに対して、簡易的な保護装置である高圧カットアウト(PC)を使用することは電気設備技術基準で禁じられています。したがって、選択肢の中で唯一、大容量設備への使用が認められていないPCを選ぶのが正解となります。
高圧進相コンデンサと保護・開閉装置のルール
電気設備技術基準では、コンデンサの容量と設置形態に応じて、開閉装置や保護装置の要件が定められています。
コンデンサは、スイッチを入れた瞬間に突入電流が発生したり、回路の遮断時に再点弧による過電圧が発生したりする特性があります。そのため、小容量であれば高圧カットアウト(PC)のようなヒューズを内蔵した簡易的な開閉装置でも対応できますが、容量が大きくなると遮断能力や耐久性に優れた専用の装置が必要になります。
具体的には、以下の考え方で分類されます。
- 小容量(50 kvar以下):高圧カットアウト(PC)も使用可能。ヒューズ溶断によって過電流保護と開閉を兼ねる構造です。
- 大容量(50 kvarを超えるもの):PCは不可。遮断性能が高い遮断器(VCB等)や、コンデンサ開閉専用に設計された電磁接触器(VMC)、または高圧交流負荷開閉器(LBS)などを使用する必要があります。
なぜ「50 kvar」という境界線があるのか
この問題の教育的意図は、単なる暗記ではなく「設備規模に応じた機器選定の重要性」を理解させることにあります。
50 kvar を超えるようなコンデンサは、電力供給系統に対する影響力も大きくなります。もし大容量コンデンサでPCを使用した場合、故障電流の遮断時に十分なアーク消弧能力が追いつかず、事故が拡大したり、誤動作によって設備を損傷したりするリスクが高まります。
実務においては、単に「50 kvar」という数値を覚えるだけでなく、図面や仕様書を見て「このコンデンサにはどの開閉器が適当か」を判断する判断力が求められます。VCB(真空遮断器)は短絡電流まで含めた保護が可能であり、VMC(真空電磁接触器)は頻繁な開閉に強いなど、各機器の特性を理解しておくことが、現場の保守管理において重要になります。
試験対策と実務での活用
試験では、この数値の暗記に加え、「どの機器がどのような用途に使われるか」を整理しておくと応用が利きます。
- 高圧真空遮断器(VCB):故障時の遮断能力が高く、保護協調の主役となる。
- 高圧真空電磁接触器(VMC):コンデンサの頻繁なON/OFF操作に適した長寿命設計。
- 高圧交流負荷開閉器(LBS):過負荷や軽微な故障電流の遮断は可能だが、大きな短絡事故の遮断にはヒューズを併用する。
- 高圧カットアウト(PC):最も簡易的で、小容量設備の保護開閉用。
これらの特徴を整理しておけば、仮に50 kvar以外の数値が出題されても、機器の性能から適切でないものを除外する判断が可能になります。