平成25年度 筆記試験 問2 解説 直流回路の電流
図のような直流回路において、電源電圧は36 [V]、回路電流は 6 [A] である。抵抗 R に流れる電流 IR [A] は。
- イ. 1
- ロ. 2 ✓ 正答
- ハ. 3
- ニ. 4
解説
この問題は、キルヒホッフの法則とオームの法則を用いて解きます。手順は以下の通りです。
- 全体の回路電流(6A)が流れる部分の電圧降下を求め、電源電圧から差し引いて並列部分にかかる電圧を求める。
- 並列部分にかかる電圧がわかれば、オームの法則を用いて抵抗Rに流れる電流を算出する。
電圧の配分を追跡する
まず、電源から送り出された6Aの電流がどの経路を通るかを確認します。図より、電源から出た6Aはまず1Ωの抵抗を通り、次に3Ωの抵抗を通ります。この直列部分での電圧降下 は、オームの法則 より以下のように計算できます。
電源電圧は36Vですので、残りの電圧が並列に接続された部分(抵抗Rと3Ωの抵抗)にかかることになります。並列部分にかかる電圧 は、
となります。
並列回路の電流分担
並列部分には、抵抗Rと3Ωの抵抗が接続されています。このうち、3Ωの抵抗に流れる電流 は、オームの法則から容易に求められます。
回路全体に流れる電流は6Aであり、そのうち4Aが3Ωの抵抗に流れています。電流は並列回路の枝路に分流するため、抵抗Rに流れる電流 は、全体の電流から3Ωの枝路を流れる電流を差し引くことで求められます。
したがって、正解はロの2となります。
閉回路における電圧と電流の考え方
この問題の本質は、回路内のどこで電圧が消費され、電流がどのように分岐していくかを論理的に追いかける力にあります。直列回路と並列回路が組み合わさった複雑な回路であっても、キルヒホッフの第二法則(閉回路内の起電力の総和は電圧降下の総和に等しい)と第一法則(分岐点に流入する電流の和は流出する電流の和に等しい)を正しく適用できれば、必ず解くことができます。
試験対策としては、合成抵抗をすべて求めることに固執せず、今回のように電圧降下を段階的に追う方法を身につけることが重要です。抵抗Rの値が不明な場合でも、並列部分にかかる電圧と、そこへ流れ込む電流の配分さえ分かれば、未知の値を逆算できるからです。
実務と学習のつながり
現場での電気設備管理やトラブルシューティングにおいても、この考え方は非常に重要です。例えば、配線が長くなるほど電線自体の抵抗により電圧降下が発生し、末端の負荷にかかる電圧が低下します。どの箇所でどれだけの電圧が失われ、各負荷に適切な電流が流れているかを診断する際、本問で用いた「電圧の配分」と「電流の分岐」の計算は、まさに実務の基礎となる力です。理論を学ぶことは、実際の故障箇所を特定するための「回路の可視化」能力を養うことと同義と言えます。