平成24年度 筆記試験 問44 解説 接地工事の図記号
図中の4a 4bに入る図記号の組合せで、正しいものは。
- イ.
- ロ. ✓ 正答
- ハ.
- ニ.
解説
この問題は、高圧受電設備における各機器の接地種別を判別する問題です。判断の根拠は「高圧機器の金属製外箱にはA種接地(EA)」、「低圧機器の金属製外箱にはD種接地(ED)」という基本原則にあります。
接地工事のルールと記号
電気設備技術基準において、接地工事は電気の通り道や機器の保護のために厳格に定められています。第一種電気工事士試験で頻出する主要な接地工事は以下の通りです。
- A種接地工事(EA): 高圧用機器の金属製外箱や避雷器などに施されます。接地抵抗値は10オーム以下です。
- B種接地工事(EB): 高圧または特別高圧と低圧の混触防止のために変圧器の二次側に施されます。
- C種接地工事(EC): 300ボルトを超える低圧機器の金属製外箱などに施されます。接地抵抗値は10オーム以下です。
- D種接地工事(ED): 300ボルト以下の低圧機器の金属製外箱などに施されます。接地抵抗値は100オーム以下です。
図記号から読み解く回路の構成
図中の④aおよび④bがどの部分に接続されているかを回路図から確認します。通常、高圧受電設備の単線結線図において、④aの位置には高圧機器(計器用変圧器や高圧開閉器など)の接地が配置され、④bの位置には低圧側計器や低圧配電盤の外箱接地が配置されます。
したがって、④aには高圧用であるA種接地(EA)が、④bには低圧用であるD種接地(ED)が適用されている組み合わせを探します。選択肢ロがまさにこれに該当します。
実務における接地設計の重要性
この知識は、単なる試験問題の暗記ではなく、現場で設計や施工を行う際の安全確保に直結します。高圧回路と低圧回路では絶縁破壊時の危険度が大きく異なります。高圧側の漏電を確実に大地へ逃がすためには抵抗の小さいA種接地が必要であり、一方で低圧機器では人体保護の観点からD種接地が用いられます。
もし、ここを誤って施工してしまうと、機器の故障時に筐体が帯電し、感電事故につながる恐れがあります。単線結線図において接地記号が何を意味し、なぜそこにその接地が必要なのかを理解することは、電気技術者として最も基本的な責任といえます。試験勉強を通じて、なぜこの接地種別が必要なのかという背景(感電防止と機器保護の目的)をセットで理解しておくと、実務で設計書を見る際にも非常に役立ちます。