平成24年度 筆記試験 問25 解説 バスダクトの種類
写真に示す材料の説明として、正しいものは。
- イ. 銅またはアルミを導体とし、外側が絶縁物で覆われた電力幹線用の部材として大電流幹線に広く利用されている。プラグ受け口を設けて、プラグイン器具において分岐が可能で、高層ビルや工場などに使用する。
- ロ. 接触電線として使用され、下面に連続した開口を持つダクト内に裸導体を絶縁物で支持し、集電、走行機能をもつトロリーが連続走行できるようにしたバスダクトであり、倉庫や工場に使用する。
- ハ. 金属製のとい形の本体に電線・ケーブルを収納し、カバーを取り付けるもので、幅が5〔cm〕以下のものである。一般にレースウェイと呼ばれ、工場、倉庫、駅のホーム、機械室などにおいて配線と照明器具等の取付材を兼ねて使用する。
- ニ. 専用のプラグの付いたスポットライトなどの照明器具を取り付け取り外しが容易に出来る給電レールで、店舗や美術館などに使用する。 ✓ 正答
解説
写真の材料は、断面に露出した導体(銅バー)が特徴的な「ライティングダクト」です。問題文から判断する際は、まず断面の形状に着目し、「ダクトの中にむき出しの導体が走っているか」「照明器具をスライドさせて取り付けられる溝があるか」を確認しましょう。これに合致するものがライティングダクトです。
配線用ダクトの見分け方
第一種電気工事士試験では、見た目が似ている管路やダクト類の識別が頻出します。写真のライティングダクトは、以下の点で他のダクトと明確に区別できます。
ライティングダクト 内部に導体が露出しており、専用のプラグを差し込んで照明器具を任意の場所に取り付けられる構造です。店舗やギャラリーの展示照明で非常によく見かけます。
レースウェイ 外見は金属製の溝形鋼のようですが、中に導体は入っていません。照明器具などを取り付けるための支持材として使われ、内部に電線を通す「通り道」の役割を果たします。
バスダクト 大容量の送電に適した太い銅バーを絶縁物で覆い、金属ケースに収めたものです。工場などの幹線工事で使用されます。
トロリーダクト 天井クレーンや電動工具へ移動しながら給電するためのダクトです。集電台車が移動できるよう、ダクトの下部が開口しています。
正解を導くための比較検討
試験会場で迷ったときは、機能面での違いを思い浮かべてください。「照明を動かせるか(ライティングダクト)」「電線を隠すカバーか(レースウェイ)」「大電流を運ぶ太い幹線か(バスダクト)」「移動する機械に給電するか(トロリーダクト)」という分類が判断の近道です。
写真の断面を見ると、導体が露出した溝が明確に確認できます。この構造こそが、照明器具の給電プラグを任意の位置でスライドさせて接続するライティングダクトの最大の特徴です。他の選択肢は、電気的な用途や設置される環境が全く異なるため、機能のイメージさえ持っていれば誤答を確実に排除できます。
現場で求められる知識の広がり
この知識は、単なる試験対策に留まらず、実際の店舗照明設計やオフィスレイアウトの変更工事で不可欠です。ライティングダクトは、レイアウト変更に応じて照明位置をフレキシブルに変えられるため、空間デザインの自由度を高めるために重宝されます。しかし、その分だけ「指定された電気工事の施設方法」を守らないと、接触不良や火災の原因にもなる繊細な器具でもあります。
工事士としては、単に名前を覚えるだけでなく、この器具が「導体が露出している=活線状態で不用意に触れると危険である」という安全上の特性を理解しておくことが非常に重要です。