第一種電気工事士試験 / 平成23年度 筆記試験 / 問19
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平成23年度 筆記試験 問19 解説 単相変圧器の結線

設問図

図のように単相変圧器 T₁、T₂ を結線した場合の最大出力〔kV・A〕は。 ただし、変圧器は過負荷で運転しないものとする。

  1. イ. 100
  2. ロ. 141
  3. ハ. 173 ✓ 正答
  4. ニ. 200

解説

この問題は、V結線(異容量V結線を含む)の最大出力に関する典型的な計算問題です。

計算手順は以下の通りです。

  1. 図を確認し、変圧器が2台で結線されていることを確認する。
  2. V結線の最大出力の公式に、単相変圧器1台の容量を代入する。 出力 P=3×(単相変圧器1台の容量)P = \sqrt{3} \times (\text{単相変圧器1台の容量}) P=3×1001.732×100=173.2P = \sqrt{3} \times 100 \fallingdotseq 1.732 \times 100 = 173.2 [kV・A]

V結線の仕組み

V結線とは、3相交流を供給するために単相変圧器2台を用いて行われる結線方法です。本来、3相電力を供給するにはデルタ(Δ\Delta)結線などで3台の変圧器が必要ですが、V結線を用いれば2台で代用できます。

ただし、デルタ結線のときのように各変圧器をフル活用できるわけではありません。電流の位相差などの関係により、2台の変圧器それぞれの容量を合計した値(100+100=200100 + 100 = 200 [kV・A])をそのまま出力することはできず、その 32\frac{\sqrt{3}}{2} 倍、すなわち合計容量の約86.6%しか利用できません。

最大出力を導き出す思考の流れ

本問では、単相変圧器1台の容量 C=100C = 100 [kV・A] が与えられています。 V結線による3相供給能力は、変圧器1台あたりの容量の 3\sqrt{3} 倍となります。

なぜ 3\sqrt{3} 倍になるのかというと、2台の変圧器がそれぞれ電圧と電流の合成を担うことで、単体での容量よりも効率的に電力供給を行うためです。変圧器1台分の容量を P0P_0 とすると、V結線の出力 PVP_VPV=3P0P_V = \sqrt{3} P_0 で求められます。

この計算における注意点は、変圧器の「定格容量」を超えてはならないという制約です。変圧器1台の定格が100 [kV・A]であれば、計算結果がその制限内に収まるように運用する必要があります。試験問題で問われているのは「過負荷にならない最大値」ですので、素直に 3×100\sqrt{3} \times 100 を計算すればよいことになります。

実務での意義と応用

この結線方法は、電気工事の現場において、スペースやコストの制約がある場合に非常に重宝されます。例えば、当初デルタ結線で運用していた設備の一部が故障し、修理までの間、変圧器1台を取り外して応急的にV結線で送電を継続する、といったメンテナンス現場の判断に直結する知識です。

また、V結線は「変圧器の容量利用率」という観点でも頻出のテーマです。デルタ結線時の総容量(3台分)に対するV結線時の容量(2台分)の比率が86.6%になることや、利用率そのものは 320.866\frac{\sqrt{3}}{2} \fallingdotseq 0.866 となる点など、セットで覚えておくと効率的です。現場では、この数値を元に「現在ある負荷に対してV結線で耐えられるか?」を瞬時に判断することが求められます。

参考リンク

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