第一種電気工事士試験 / 平成22年度 筆記試験 / 問30
certification-simodake-work

平成22年度 筆記試験 問30 解説 断路器の取扱い

①に示すDSに関する記述として、誤っているものは。

  1. イ. DSは断路器である。
  2. ロ. DSは区分開閉器として施設される。 ✓ 正答
  3. ハ. DSは負荷電流が流れている時、誤って開路しないようにする。
  4. ニ. 接触子(刃受)は電源側、ブレード(断路刃)は負荷側にして施設する。

解説

この問題は、断路器(DS)の役割と施設上のルールを正しく理解しているかを問う典型的な知識問題です。誤っているものを選ぶため、「断路器は負荷電流を遮断できない」という基本原則と、「接触子の向き」という実務上の安全基準を照らし合わせることで正解に導けます。

DSの役割と区分開閉器との違い

断路器(DS)は、回路の点検や修理を行う際に、電気的に確実に回路を切り離して安全を確保するための機器です。最大のポイントは、負荷電流や故障電流を遮断する能力を持っていない点にあります。

一方、区分開閉器は受電点などに設置され、負荷電流の開閉や故障時の切り離しが可能な機器を指します。もしDSを区分開閉器として使用してしまうと、負荷電流を遮断しようとした際にアークが発生し、機器の焼損や重大な事故につながる恐れがあります。したがって、この問題の選択肢ロは、DSの機能の定義から明確に外れるため誤りとなります。

なぜ接触子の向きが重要なのか

選択肢ニにある「接触子(刃受)を電源側に、ブレード(断路刃)を負荷側にする」という施設基準は、現場の安全を担保するための非常に重要な考え方です。

DSを開放した際、負荷側のブレードがもし電源側につながっていると、開放状態であってもそのブレードが充電されたままの状態になります。作業員が「DSを切ったから安全だ」と思って負荷側の機器に触れた際、もしブレードが充電されていれば感電事故につながります。

この事故を防ぐために、開放時には「電源とつながっている部分(刃受)を覆い、取り外されたブレード側には電気が残らない」ように配置するのが原則です。このように、DSの配置ひとつとっても、電気設備の保守点検を行う作業員の命を守るための設計思想が組み込まれています。

問題の構造から読み取るべき試験の意図

この問題は単なる用語の暗記を求めているのではなく、DSという機器がシステムの中でどのような役割を果たし、どのような制約の中で運用されるべきかを理解しているかを問うています。

試験では、DSの特性として以下の3点をセットで覚えておくと、応用が効きます。

  1. 機能:回路の切り離し(無負荷開閉のみ可能)。
  2. 安全性:負荷電流遮断能力はないため、インターロック機構などで負荷電流が流れている時には開かない仕組みにする。
  3. 設置基準:開放時にブレードが充電されない向き(刃受を電源側)で設置する。

これらの知識は、電気主任技術者として現場で機器を操作する際や、点検計画を立てる際、また事故時の切り分け作業を行う際の基礎的な判断基準となります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう