第一種電気工事士試験 / 平成21年度 筆記試験 / 問38
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平成21年度 筆記試験 問38 解説 電気工事業の備付器具

電気工事業の業務の適正化に関する法律に おいて、自家用電気工作物の電気工事を行う 電気工事業者の営業所ごとに備えることを義 務づけられている器具であって、必要なとき に使用し得る措置が講じられていれば備えて いると見なされる器具はどれか。

  1. イ. 絶縁抵抗計
  2. ロ. 絶縁耐力試験装置 ✓ 正答
  3. ハ. 接地抵抗計
  4. ニ. 高圧検電器

解説

この問題は、電気工事業法に基づく「営業所に備え付けるべき測定器具等」の知識を問うものです。ポイントは、すべての器具が「常時置いておく必要はない」わけではなく、特定の器具のみ「借りるなどして、いつでも使える状態ならOK」とされている点にあります。この例外規定に該当するのは絶縁耐力試験装置のみです。

営業所への備え付けが義務付けられた器具

電気工事業を開始し、自家用電気工作物の工事を行う営業所には、電気設備の保安を確保するために以下の4つの測定器具を必ず備え付けなければなりません。

・絶縁抵抗計 ・接地抵抗計 ・絶縁耐力試験装置 ・高圧検電器

これらは、工事完了後の検査や、作業中の安全確認を行うために不可欠なツールです。試験では、これらの器具の名称を正確に暗記しているかどうかが問われます。

なぜ絶縁耐力試験装置だけが例外なのか

この問題の核心は、他の3つの器具(絶縁抵抗計、接地抵抗計、高圧検電器)と絶縁耐力試験装置の扱いの違いを理解することにあります。

絶縁抵抗計や高圧検電器などは、工事現場で日常的に、かつ頻繁に使用するものです。これらは緊急時の確認にも即座に使う必要があるため、営業所に「常備」しておくことが求められます。

一方で、絶縁耐力試験装置は非常に大きく、高価かつ精密な機器です。すべての現場で毎日使うものではなく、大規模な工事の最終試験など、特定の工程でのみ必要となります。もし「必ず自社で所有し、営業所に置いておけ」というルールにしてしまうと、中小規模の電気工事業者の負担があまりに大きくなり、事業の継続が困難になってしまいます。

そのため法律では、必要なときに借りる契約を結んでいるなど、直ちに使える措置が講じられている場合に限り、自社で所有していなくても「備えている」とみなす柔軟な措置をとっています。

法的知識が実務に与える影響

この問題が試験に出る理由は、単なる知識の暗記を求めるだけでなく、電気工事業を営む上での「法的責任」と「現実的な運用」のバランスを理解させることにあります。

第一種電気工事士は、大規模な工事の現場責任者や技術者として、こうした器具の管理体制を整える立場になります。もし絶縁耐力試験装置を用意せずに工事を行えば、法令違反となるだけでなく、試験データの不正や不備を招き、重大な事故につながる恐れがあります。

「備えているとみなす」という例外規定は、あくまで「必要なときに、確実に使用できる」ことが大前提です。実務においては、単にこの知識を覚えるだけでなく、「今の現場で絶縁耐力試験が必要になったとき、どこからどうやって持ち出し、期限内に確実に試験を完了させるか」という準備を怠らない管理能力が求められます。

参考リンク

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