第一種電気工事士試験 / 平成21年度 筆記試験 / 問1
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平成21年度 筆記試験 問1 解説 平行平板コンデンサの静電容量

設問図

図のように、面積 S の平板電極間に、厚さ が d で誘電率 ε の絶縁物が入っている平行平 板コンデンサがあり、直流電圧 V が加わって いる。このコンデンサの静電容量 C に関する 記述として、正しいものは。

  1. イ. 電圧 V に比例する。
  2. ロ. 電極の面積 S に比例する。 ✓ 正答
  3. ハ. 電極の離隔距離 d に比例する。
  4. ニ. 誘電率 ε に反比例する。

解説

この問題は、平行平板コンデンサの静電容量を求める基本式 C=ϵSdC = \frac{\epsilon S}{d} を思い出せるかが鍵となります。この式に基づき、面積 SS、誘電率 ϵ\epsilon、距離 dd がそれぞれどのように静電容量 CC に影響するかを照らし合わせることで、正解を導き出します。

平行平板コンデンサの公式の成り立ち

静電容量 CC は、コンデンサがどれだけ電気を蓄えられるかを示す「器の大きさ」のようなものです。その大きさは以下の3つの要素で決まります。

  1. 面積 SS:広ければ広いほど、電気を蓄える場所が増えるため、比例します。
  2. 誘電率 ϵ\epsilon:誘電体が分極し、電界を打ち消すことでより多くの電荷を蓄えられる性質です。値が大きいほど性能が良くなるため、比例します。
  3. 距離 dd:電極同士が離れると、電界の影響が弱まり電気を蓄える力が減るため、反比例します。

これらを一つの式にまとめると C=ϵSdC = \frac{\epsilon S}{d} となります。ここで重要なのは、この式に電圧 VV が含まれていない点です。電圧 VV は「コンデンサにどれだけ電気を流し込むか(押し込む圧力)」を決定する要素であり、コンデンサそのものの「器の大きさ(静電容量)」には影響を与えないという理屈を理解しておく必要があります。

選択肢の判断と論理的思考

試験本番では、まず公式 C=ϵSdC = \frac{\epsilon S}{d} を頭に浮かべ、各選択肢を一つずつ照らし合わせます。

  • イ. 電圧 VV に比例する:式の中に VV は含まれないため誤りです。
  • ロ. 電極の面積 SS に比例する:式の分子に SS があるため正解です。
  • ハ. 電極の離隔距離 dd に比例する:dd は分母にあるため「反比例」が正解となり、これは誤りです。
  • ニ. 誘電率 ϵ\epsilon に反比例する:ϵ\epsilon は分子にあるため「比例」が正解となり、これは誤りです。

このように、式の中のどの値が分子にあり、どの値が分母にあるかを確認するだけで、迷わず正解を選ぶことができます。

コンデンサ理論の現場での応用

この知識は、単なる暗記項目にとどまらず、現場の実務や機器選定の根本となります。例えば、ノイズフィルタや平滑回路に使用されるコンデンサは、要求される静電容量に応じて形状や材料が異なります。

大容量が必要な場合には面積を大きくするために電極を巻き込んだ構造(アルミ電解コンデンサなど)が採用されますし、誘電率の高い材料を使うことで小型化を実現しています。また、高電圧に耐える必要がある場合には、dd を大きく設計して絶縁破壊を防ぐといった設計思想が働きます。このように、基本式を知ることは、コンデンサという部品がなぜそのような形をしているのか、その背景にある「エンジニアリングの工夫」を理解することに繋がります。

参考リンク

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