第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) 問21 解説 八木アンテナの指向性
図に示した八木アンテナ(八木・宇田アンテナ)において、最も強く電波を放射するのは、どの方向か。 ただし、エレメントの長さは、A < B < C の関係にある。
- 1. a ✓ 正答
- 2. b
- 3. c
- 4. d
解説
この問題は、八木アンテナの各エレメントの役割と長さの関係を理解していれば即座に解けます。短くまとめると「反射器(長い)から導波器(短い)に向けて電波は飛ぶ」と覚えましょう。今回のケースでは、長さA(最も短い)の方向である「a」が正解です。
エレメントの役割を決める長さの関係
八木アンテナを構成する3種類のエレメントには、それぞれ役割があります。
- 導波器(Director):最も短いエレメントです。電波を前方に導き、強く放射させる役割を持ちます。
- 放射器(Radiator):給電線が接続されているエレメントです。アンテナの心臓部にあたります。
- 反射器(Reflector):最も長いエレメントです。電波を反射させて前方へ押し出す役割を持ちます。
今回の問題では、エレメントの長さが A < B < C という関係にあります。
- 最も短い A は「導波器」として機能します。
- 最も長い C は「反射器」として機能します。
電波が飛ぶ方向の判断
八木アンテナは、反射器から放射器を通り、導波器へと向かう方向に強い指向性(電波を強く出す性質)を持ちます。
思考プロセスを整理すると以下のようになります。
- 図を見て、どのエレメントが一番短く(A)、どれが一番長い(C)かを確認する。
- 長いもの(反射器)から短いもの(導波器)に向かって矢印を引く。
- その矢印が指し示す方向である「a」を選ぶ。
反射器(C)が後ろから電波を押し出し、導波器(A)が前方へとその電波を誘導する。この仕組みがあるため、八木アンテナは特定の方向に対して非常に効率よく電波を飛ばすことができるのです。
実践での活用と試験の意図
この知識は、実際にアマチュア無線の現場でアンテナを設置する際に不可欠です。八木アンテナは指向性が強いため、通信したい相手の方向へ正しく向けて設置しなければ、どれほど高価なアンテナを使っても通信は成功しません。
試験においてこの問題が問われる理由は、単なる知識の暗記を確認するためだけではありません。無線従事者として「アンテナがどのような仕組みで電波を制御しているのか」という物理的な基本概念を理解しているかを確認し、電波を正しく意図した方向に飛ばすための基礎能力を養う意図があります。