第三級アマチュア無線技士 / 第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.1) / 各問題解説 / 問24
certification-simodake-work

第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.1) 問24 解説 電波障害の防止

アマチュア局から発射された435〔MHz〕帯の基本波が、地デジ(地上デジタルテレビ放送470~710〔MHz〕)のアンテナ直下型受信用ブースタに混入し電波障害を与えた。この防止対策として、地デジアンテナと受信用ブースタとの間に挿入すればよいのは、次のうちどれか。

  1. 1. 低域フィルタ(LPF)
  2. 2. トラップフィルタ(BEF) ✓ 正答
  3. 3. SWRメータ
  4. 4. ラインフィルタ

解説

特定の周波数だけを除去したい場合は、その周波数帯を遮断するトラップフィルタ(BEF)を選ぶのが正解です。地デジ放送の受信環境にアマチュア無線の電波が入り込んでいるため、余計な電波をピンポイントで消し去る必要があります。

フィルタの役割と選び方

フィルタには通過させる周波数や遮断する周波数によっていくつかの種類があります。今回の問題では「アマチュア無線(435 MHz帯)という特定の周波数」だけが原因となっているため、その周波数だけを狙い撃ちして減衰させる必要があります。

  • 低域フィルタ(LPF): ある周波数より低い電波を通し、高い周波数をカットします。
  • トラップフィルタ(BEF:帯域阻止フィルタ): 特定の周波数帯域だけをピンポイントで減衰させます。
  • SWRメータ: 電波を調整するための測定器であり、フィルタではありません。
  • ラインフィルタ: 電源線からのノイズを防ぐためのものです。

今回のケースでは、テレビの視聴という「地デジの広帯域な信号」はそのまま通し、そこに混入している「435 MHz帯という一点」だけを除去するのが目的です。したがって、特定の周波数を阻止するトラップフィルタ(BEF)が適しています。

なぜトラップフィルタが選ばれるのか

地デジのアンテナとブースタの間にフィルタを入れる際、もし低域フィルタを使ってしまうと、地デジ放送の周波数まで一部カットしてしまう恐れがあります。また、ラインフィルタはアンテナ線(高周波信号)用ではなく、電源からのノイズ対策用です。

アマチュア無線の電波障害対策では、このように「目的の信号を邪魔せずに、原因となっている電波だけを狙って除去する」という考え方が重要です。試験においても、それぞれのフィルタが「どの周波数を通過させ、どの周波数を遮断するのか」という基本特性をセットで覚えることが合格の近道となります。

実践的な電波障害対策

実際の運用現場でも、送信機側の不要輻射を抑えるフィルタと、受信側の混入を防ぐフィルタを使い分ける知識は非常に重要です。特にアンテナ直下型ブースタは非常に感度が高いため、アマチュア無線のような強力な電波が近くで発射されると、ブースタ内部で「飽和」という現象が起き、地デジが映らなくなることがあります。

この問題のように、受信側で対策を行うことは、自局からの電波によって周囲の電子機器に迷惑をかけないためのマナーであり、アマチュア無線家としての基本的な技術的素養です。理論だけでなく、こうした実用的なトラブルシューティングの視点を持つことで、より深い理解につながります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう