第三級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(法規 No.2) 問14 解説 モールス通信の誤送信
モールス無線通信において、手送による欧文の送信中に誤った送 信をしたことを知ったときは、次のどれによらなければならないか。
- 1. 「HH」を前置して、初めから更に送信する。
- 2. 「RPT」を前置して、誤った語字から更に送信する。
- 3. そのまま送信を継続し、送信終了後「RPT」を前置して、訂 正箇所を示して正しい語字を送信する。
- 4. 「HH」を前置して、正しく送信した適当の語字から更に送信 する。 ✓ 正答
解説
モールス符号の通信で誤字をした際は、訂正信号である「HH」を送り、直前の正しい語字から打ち直すというのが国際的な慣習であり、試験でもこのルールを問われます。
訂正信号HHの意味と役割
モールス通信はリアルタイムで信号を送るため、言い淀みや打ち間違いが避けられません。そこで、聞き手に対して「今の文字や単語は間違いでした、ここからやり直します」という合図を送る必要があります。
このとき使われるのが、短点8つ(・・・・・・・・)からなる「HH」という符号です。なぜ「HH」なのかというと、短点8つという特徴的なリズムは、通常の欧文アルファベットや数字の組み合わせには存在しないため、受信側が「あ、訂正が入ったな」と即座に判断できるからです。
思考のステップ
問題文の状況を整理すると、以下の手順で思考します。
- 誤送信した瞬間に気づく
- 即座に訂正信号HHを送る(ここで聞き手に間違いを認識させる)
- 全てを最初からやり直すのではなく、間違いが混入する直前の、聞き手にとって意味が通じている適当な箇所まで戻る
- そこから正しい内容を送信し直す
選択肢1のように「最初からやり直す」のは、すでに受信できている部分まで無駄に送信することになり、非効率です。選択肢3の「送信終了後に訂正する」方法は、相手が誤った情報のまま内容を解釈してしまうリスクがあるため、通信の正確性を損ないます。したがって、その場で即座に訂正し、最小限の戻り幅で再送信するのが最も合理的であると判断します。
実践の場における訂正の重要性
このルールは、単なる試験対策の知識にとどまらず、実際の交信の質を左右します。電波状況が悪い中で交信している場合、受信側は集中して符号を聞き取っています。誤送信があった場合に、だらだらと続けてしまうと、相手は混乱して何を伝えたかったのかを推測できなくなってしまいます。
「HH」を打つことは、受信側に対して「ここはリセットします」という明確な境界線を示す行為です。丁寧な交信を心がけるオペレーターほど、誤字に気づいた瞬間に短くHHを打ち、相手の負担を減らす工夫をしています。アマチュア無線家として、相手を思いやる通信技術の一つとして捉えておきましょう。