第三級海上特殊無線技士 / 令和7年度 下期 学科試験 / 各問題解説 / 問19
certification-simodake-work

令和7年度 下期 学科試験 問19 解説 振幅変調の帯域と周波数

周波数 fc の搬送波を周波数 fs の信号波で、振幅変調(DSB)を行ったときの占有周波数帯幅と上側波の周波数の組合せで、正しいのはどれか。次のうちから選べ。

  1. 1. fs, fc-fs
  2. 2. 2fs, fc-fs
  3. 3. fs, fc+fs
  4. 4. 2fs, fc+fs ✓ 正答

解説

この問題は、振幅変調(DSB)における周波数の広がりを理解しているかを問う基本問題です。

正解にたどり着くための判断基準は、以下の2点です。 ・占有周波数帯幅は信号周波数の2倍であること(2fs) ・上側波帯(USB)の周波数は搬送波周波数に信号周波数を加えたもの(fc+fs)であること

DSBにおけるスペクトルの構造

振幅変調であるDSB(Double Sideband:両側波帯)を行うと、搬送波の上下に信号成分が現れます。

搬送波の周波数を fcfc、信号波の周波数を fsfs とすると、変調後の信号には以下の周波数成分が含まれます。 ・搬送波成分: fcfc ・上側波帯(USB): fc+fsfc + fs ・下側波帯(LSB): fcfsfc - fs

このうち、変調信号が占める周波数の範囲は、最も高い周波数成分(fc+fsfc + fs)から最も低い周波数成分(fcfsfc - fs)までとなります。 占有周波数帯幅の計算式は、(fc+fs)(fcfs)=2fs(fc + fs) - (fc - fs) = 2fs となります。したがって、占有周波数帯幅は信号周波数の2倍になることがわかります。

選択肢を絞り込むための思考プロセス

試験会場でこの問題に出会ったときは、まず以下の順序で確認します。

  1. 占有周波数帯幅を確認する DSBは信号の上下に帯域ができるため、必ず信号の幅の2倍(2fs)になります。この時点で選択肢2か4に絞られます。

  2. 上側波の周波数を確認する 上側波とは、搬送波よりも高い周波数帯を指します。「上」という言葉の通り、足し算(fc+fs)が正解です。引き算(fc-fs)は下側波帯になります。

以上の2点を組み合わせることで、選択肢4が唯一の正解であると導き出せます。

無線通信においてこの知識が意味すること

無線機器を運用する際、占有周波数帯幅の理解は非常に重要です。なぜなら、電波は限られた公共の資源であり、ある無線局が広すぎる帯域を占有すると、他の無線局との混信を引き起こしてしまうからです。

第三級海上特殊無線技士として無線機を操作する際、搬送波(キャリア)に対してどのような信号を乗せているのか、そしてその信号がどの程度の広がり(帯域)を持って電波として発射されるのかを把握しておくことは、電波法令を守り、円滑な通信を行うための基礎教養といえます。特に、海上では複数の船舶が限られた周波数帯を共有して通信を行うため、自分の送信信号が指定された帯域幅に収まっているかという視点は、実務においても極めて重要な感覚となります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう