第三級海上特殊無線技士 / 令和7年度 下期 学科試験 / 各問題解説 / 問14
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令和7年度 下期 学科試験 問14 解説 交流回路の性質

次の記述で、正しいのはどれか。下の番号から選べ。

  1. 1. 導線の抵抗が小さくなるほど、交流電流は流れにくくなる。
  2. 2. 導線の断面積が大きくなるほど、交流電流は流れにくくなる。
  3. 3. コンデンサの静電容量が大きくなるほど、交流電流は流れにくくなる。
  4. 4. コイルのインダクタンスが大きくなるほど、交流電流は流れにくくなる。 ✓ 正答

解説

この問題は、交流回路における「コイル(インダクタ)」の性質を問う典型的な理論問題です。結論を導くためには、交流に対してコイルが示す抵抗成分である「誘導性リアクタンス」の公式を理解している必要があります。

交流を妨げるコイルの性質

コイル(インダクタンス LL)に交流電流(周波数 ff)を流すと、コイルには電流の変化を妨げようとする逆起電力が発生します。この「交流の流れにくさ」を誘導性リアクタンス XLX_L と呼び、次の式で表されます。

XL=2πfLX_L = 2 \pi f L

この式から読み取れる重要なポイントは以下の2点です。

  1. 周波数 ff が高くなるほど、リアクタンス XLX_L は大きくなる(流れにくくなる)。
  2. インダクタンス LL が大きくなるほど、リアクタンス XLX_L は大きくなる(流れにくくなる)。

つまり、コイルにとって「インダクタンスを大きくすること」は、交流の通行をより強く拒むことを意味します。これが選択肢4が正しい理由です。

誤った選択肢の考え方

他の選択肢を否定的に検証することで、電気回路の基礎知識を整理できます。

・選択肢1と2:これらは導線の性質に関する記述です。導線の抵抗 RR は、断面積が大きくなるほど小さくなり、電流は流れやすくなります。抵抗が小さいほど交流も直流も流れやすいため、これらは誤りです。

・選択肢3:コンデンサの交流に対する抵抗成分(容量性リアクタンス XCX_C)は、XC=12πfCX_C = \frac{1}{2 \pi f C} という式で表されます。静電容量 CC が大きくなるほど分母が大きくなるため、XCX_C 自体は小さくなり、結果として交流は流れやすくなります。したがって、「流れにくくなる」という記述は誤りです。

なぜこの知識が必要なのか

無線工学において、コイルとコンデンサは「同調回路(チューニング)」を作るための不可欠な部品です。例えば、特定の周波数だけを選び出すフィルター回路では、コイルのインダクタンスを調整することで、目的外の周波数の電波を「通りにくくする(遮断する)」制御を行っています。

実際の無線機では、インダクタンスを変えることで周波数の通り道を制御したり、不要なノイズ成分を取り除いたりしています。この問題のように「インダクタンスと電流の関係」を直感的に把握しておくことは、無線機器の信号処理や回路設計の原理を理解するための第一歩となります。

参考リンク

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