第二級海上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.2) 問1 解説 無線設備の変更
無線局の免許人は、無線設備の変更の工事をしようとするときは、総務省令で定める場合を除き、どうしなければならないか。次のうちから選べ。
- あらかじめ総務大臣の許可を受ける。
- あらかじめ総務大臣にその旨を届け出る。 ✓ 正答
- あらかじめ総務大臣の指示を受ける。
- 総務大臣に無線設備の変更の工事の予定期日を届け出る。
解説
この問題は、電波法における無線局の変更手続きに関するルールを問うものです。無線設備の変更を行う際には、原則として「総務大臣への事前の届出」が必要であると暗記しておくのが正解への最短ルートです。
無線設備の変更に関するルール
電波法第17条では、無線局の免許人が無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣にその旨を届け出なければならないと定められています。
ここで注意すべき点は、これが「許可」ではなく「届出」であるという点です。無線局の免許は最初に受けていますが、その内容を少し変更する場合、毎回厳格な許可審査を行うと行政手続きが停滞してしまいます。そのため、事前の告知(届出)によって国の管理下に置くという形がとられています。
ただし、総務省令で定める軽微な変更(例えば、無線機の性能に影響を与えないような部品の交換など)については、この届出すら不要となる例外規定もあります。試験では「原則は届出である」という点と、「許可ではない」という点を押さえておけば十分に対応可能です。
誤った選択肢の考え方
他の選択肢を見てみましょう。「許可」を受ける必要があるのは、主に無線局を開設しようとする時や、無線局の目的を変更する時など、より重要度が高い場合です。今回の問題のように「無線設備の変更」という文脈では、「あらかじめ届け出る」が法的な手続きとして最も適切です。
「指示を受ける」や「予定期日を届け出る」といった選択肢は、法律用語としては存在しない手続き、あるいは非常に限定的な状況でのみ使用される言い回しですので、無線局の変更手続きとしては不適当と判断できます。
現場でこのルールが意味すること
無線従事者は、単に機器を操作するだけでなく、自らが運用する無線局の法的なステータスを維持する義務があります。もし、届け出をせず勝手に設備を改造して運用した場合、電波法違反となり、無線局の免許の取消しや業務停止などの厳しい処分を受ける可能性があります。
特に第三級海上特殊無線技士として現場に出た際、古い設備を新しいものに交換したり、アンテナの種類を変更したりといった作業を行うこともあるでしょう。その際、「まずは届出が必要ではないか?」というブレーキをかける意識を持つことが、無線局を正しく運営するための第一歩となります。この問題は、無線設備を適切に管理・運用するための手続き的責任を問うているのです。