第三級陸上特殊無線技士 / 第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.3) / 各問題解説 / 問14
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第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.3) 問14 解説 トランジスタのバイアス

次の記述において [ ] 内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 ベース接地で NPN 形トランジスタを増幅に使う場合、ベース・エミッタ間の PN 接合面には [ A ] 方向電圧を、コレクタ・ベース間の PN 接合面には [ B ] 方向電圧を加えるのが標準である。

  1. 1. 順  順
  2. 2. 逆  逆
  3. 3. 順  逆 ✓ 正答
  4. 4. 逆  順

解説

トランジスタを増幅器として機能させるための最も基本的な条件を問う問題です。この問題は、入力側(ベース・エミッタ間)に電流を流しやすくし、出力側(コレクタ・ベース間)でそれを制御するというトランジスタの基本動作を理解していれば即座に正解できます。

電圧の方向とバイアス

トランジスタを増幅器として動作させるには、それぞれのPN接合に適切な電圧(バイアス)を印加する必要があります。

ベース・エミッタ間の接合は、信号を入力する入口です。ここに電流を流し込むためには、ダイオードの順方向と同じ向きに電圧をかける必要があります。これを順方向バイアスと呼びます。

一方、コレクタ・ベース間の接合は、信号を取り出す出口です。ここには、ベースから流れ込んできた電流をコレクタ側へ効率よく引き込むために、逆方向バイアスを印加します。本来、逆方向バイアスでは電流は流れませんが、ベースに注入されたキャリアがコレクタへ引き寄せられることで、大きな出力電流として取り出すことが可能になります。

思考のステップ

まず、増幅器として使うということは、小さな信号を大きな信号に変える仕組みが必要だと考えます。

  1. 入力側(ベース・エミッタ)は、信号を取り込むために道を開いておく必要があるため、順方向バイアスであると判断します。
  2. 出力側(コレクタ・ベース)は、入力された情報を元に高い電圧で制御するために、あえて電気の流れにくい逆方向バイアスを印加し、ベースからやってくる電子を強力に引き寄せる環境を作ると判断します。

この「入力=順、出力=逆」というセットは、増幅回路を設計する際の鉄則です。

トランジスタが担う増幅の役割

この知識は、無線機においてマイクから入ってきた小さな音声信号を、空中線(アンテナ)から飛ばせるほどの大きな電力まで引き上げる「増幅回路」を理解するための基礎となります。

無線機の送信部には、信号を少しずつ大きくするステージがいくつも存在します。それぞれのステージでトランジスタを「増幅領域」で働かせるために、回路設計者は抵抗器などを用いて、正確に順方向バイアスと逆方向バイアスが供給されるように設計しています。もしこのバイアス条件が崩れると、音割れが起きたり、そもそも電波が飛ばなかったりと、無線機の正常な動作が損なわれます。試験問題として問われるのは基礎的な内容ですが、これは無線工学全体を支える極めて重要な原則なのです。

参考リンク

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