第三級陸上特殊無線技士 / 第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.2) / 各問題解説 / 問13
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第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題(無線工学 No.2) 問13 解説 電気回路の電力

設問図

図に示す電気回路において、抵抗 R で消費される電力 P を表す式として、誤っているのはどれか。次のうちから選べ。ただし、Eは電圧、Iは電流とする。

  1. 1. P = EI^2/R ✓ 正答
  2. 2. P = EI
  3. 3. P = I^2R
  4. 4. P = E^2/R

解説

電力の基本式 P=EIP = EI に、オームの法則 E=IRE = IR または I=E/RI = E/R を代入することで、抵抗で消費される電力は P=I2RP = I^2RP=E2/RP = E^2/R と変形できます。選択肢1の P=EI2/RP = EI^2/R は、これらの正しい変形プロセスのどこからも導き出すことができないため、誤り(正解)となります。

電力の基本式とオームの法則の組み合わせ

電気回路において、抵抗で消費される電力 PP (単位はワット:W)は、基本的には電圧 EE (単位はボルト:V)と電流 II (単位はアンペア:A)の積で表されます。これが以下の基本式です。

P=EIP = EI

一方で、抵抗 RR (単位はオーム:Ω)と電圧、電流の間にはオームの法則が成り立ちます。

E=IRE = IR

このオームの法則を変形すると、電流を求める式になります。

I=E/RI = E/R

電力を計算する際、常に電圧と電流の両方が分かっているとは限りません。回路によっては、電流と抵抗しか分からない場合や、電圧と抵抗しか分からない場合もあります。そのようなときに、オームの法則を電力の基本式に代入することで、分かっている値だけで電力を求められる便利な式が導き出されます。

誤った式を特定するプロセス

選択肢に示された4つの式が正しいかどうかは、電力の基本式にオームの法則を代入してみることで検証できます。

まず、基本式 P=EIP = EI において、電圧 EE の部分にオームの法則の E=IRE = IR を代入します。

P=(IR)×I=I2RP = (IR) \times I = I^2R

これにより、電流の2乗と抵抗の積で電力を表す P=I2RP = I^2R が導かれます。したがって、選択肢3は正しい式です。

次に、基本式 P=EIP = EI において、電流 II の部分に I=E/RI = E/R を代入します。

P=E×(E/R)=E2/RP = E \times (E/R) = E^2/R

これにより、電圧の2乗を抵抗で割ることで電力を表す P=E2/RP = E^2/R が導かれます。したがって、選択肢4も正しい式です。

基本式そのものである P=EIP = EI も当然正しいので、選択肢2も除外されます。

残る選択肢1の P=EI2/RP = EI^2/R について考えてみます。この式に E=IRE = IR を代入してみると、 P=(IR)I2/R=I3P = (IR)I^2/R = I^3 となり、抵抗 RR が約分されて消えてしまい、電流の3乗という物理的に意味の通らない値になってしまいます。したがって、選択肢1が誤りであると判断できます。

無線従事者の実務における電力計算の役割

この問題は、単なる数式の変形パズルではなく、無線従事者が実務で直面する機器の設計やメンテナンスにおいて非常に重要な知識を問うています。

無線機器やその周辺回路には、様々な抵抗器が使われています。抵抗器に電流が流れると熱が発生し、これを消費電力(またはジュール熱)と呼びます。すべての抵抗器には定格電力(許容できる電力の限界値、例えば1/4Wや1/2Wなど)が決まっており、これを超える電力を消費させると、抵抗器が過熱して焼き切れたり、周囲の部品を巻き込んで故障を引き起こしたりする原因になります。

実際の現場では、回路上のすべての場所で電圧と電流の両方を測定できるわけではありません。テスターで抵抗値を測り、そこに流れる電流を測定したならば P=I2RP = I^2R を使い、印加されている電圧が分かっているなら P=E2/RP = E^2/R を使うことで、素早く安全性を評価できます。状況に応じて最適な計算式を選択できる能力は、無線設備のトラブルを未然に防ぐために必須のスキルです。

参考リンク

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