第二種電気工事士 / 令和7年度 上期 学科試験 / 問19
certification-simodake-work

令和7年度 上期 学科試験 問19 解説

単相100Vの屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で、次のような箇所があった。a~dのうちから適切なものを全て選んだ組合せとして、正しいものは。a:電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆した。b:電線の引張強さが10%減少した。c:電線の電気抵抗が5%増加した。d:電線の電気抵抗を増加させなかった。

  1. イ. aのみ
  2. ロ. b及びc
  3. ハ. b及びd
  4. ニ. a, b及びd ✓ 正答

解説

この問題は、電線を接続する際の3つの鉄則(電気抵抗、引張強さ、絶縁効力)を正しく理解しているかを問うものです。以下の判断基準を照らし合わせることで、正解を導き出せます。

flowchart TD
  A["接続条件を判定"] --> B["a: 絶縁効力 同等以上 → ○"]
  A --> C["b: 引張強さ 10%減少(20%以内) → ○"]
  A --> D["c: 電気抵抗 5%増加 → ×"]
  A --> E["d: 電気抵抗 増加なし → ○"]
  B --> F["○: a,b,d"]
  C --> F
  E --> F
  F --> G["正解: ニ"]

a:絶縁効力は同等以上にする(適切) b:引張強さを20%以上減少させない。10%の減少は許容範囲内(適切) c:電気抵抗を増加させない。5%の増加は認められない(不適切) d:電気抵抗を増加させない(適切)

これらをまとめると、適切なものはa、b、dとなり、選択肢「ニ」が正解です。

電線の接続に関する3つの技術基準

  1. 電気抵抗を増加させない 電線を接続すると、接続点の接触不良などによって電気抵抗が増えやすくなります。もし抵抗が増えてしまうと、電流が流れた際にその部分が異常発熱し、火災の原因になります。そのため、接続箇所での電気抵抗の増加は一切認められていません。選択肢cのように「5%増加」と書かれているものは、その時点で誤りです。

  2. 引張強さを20%以上減少させない 電線を引き延ばして配線する際、接続箇所は構造的に弱くなりやすい部分です。強度が極端に落ちると、自重や外部からの力で断線する恐れがあります。電気設備に関する技術基準では「引張強さを20%以上減少させてはならない」と定められています。 この表現は少し紛らわしいですが、「元の強さを80%以上維持していればOK」という意味です。問題文bの「10%減少」は、言い換えれば「90%の強さを維持している」ということなので、基準をクリアしています。

  3. 絶縁物と同等以上の絶縁効力を持たせる 電線の接続のために剥いた被覆(絶縁物)は、接続後に絶縁テープや絶縁カバーを用いて元通りにする必要があります。このとき、単に見た目を覆うだけでなく、元の被覆が持っていた絶縁性能と同じか、それ以上の性能を持たせなければなりません。これが選択肢aの内容です。

試験対策としてのポイント

この「接続のルール」は、筆記試験の一般問題で頻出のテーマです。特に数字が関わる「引張強さ20%以内」と、一切の妥協が許されない「電気抵抗を増加させない」という2点は、ひっかけ問題のターゲットになりやすい項目です。

・引張強さ:20%という数字を「10%」や「30%」に変えて出題される ・電気抵抗:「多少の増加なら良い」という趣旨の選択肢が出る ・絶縁:テープの巻き回数ではなく「同等以上の効力」という言葉が重要

これらの基準は、技能試験においても「電線の被覆を剥ぎすぎて芯線が露出しすぎてはいけない(絶縁効力の低下)」や「リングスリーブの圧着不良(抵抗の増加)」といった判断基準の根拠となっており、電気工事士として最も基本的かつ重要な知識の一つです。

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう