第二種電気工事士 / 令和7年度 下期 第二種 学科試験 / 問14
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令和7年度 下期 第二種 学科試験 問14 解説

必要に応じ, スターデルタ始動を行う電動機は。

  1. イ. 一般用三相かご形誘導電動機 ✓ 正答
  2. ロ. 三相巻線形誘導電動機
  3. ハ. 直流分巻電動機
  4. ニ. 単相誘導電動機

解説

「スターデルタ(ΔY\Delta-\text{Y})始動」という言葉が出てきたら、即座に**「三相かご形誘導電動機」**を選択しましょう。この始動方式は、三相交流で動く一般的な電動機の「大きすぎる始動電流」を抑えるための代表的な手法です。

スターデルタ始動の仕組みと目的

三相かご形誘導電動機は、電源をそのまま投入する「全電圧始動(じか入れ始動)」を行うと、運転時の5〜7倍もの大きな電流(始動電流)が流れてしまいます。これが原因でブレーカーが落ちたり、電圧降下によって周囲の機器に悪影響を与えたりすることがあります。

これを防ぐために、始動時だけ「スター結線」にして電圧を下げてスタートし、回転が安定したところで本来の「デルタ結線」に戻すのがスターデルタ始動法です。

flowchart LR
  A[三相かご形誘導電動機を始動] --> B[始動時: スター結線]
  B --> C[各巻線電圧は 1/√3]
  C --> D[始動電流 1/3・始動トルク 1/3]
  D --> E[回転が安定]
  E --> F[運転時: デルタ結線]
  F --> G[定格で運転]
  • 始動時(スター結線):各巻線にかかる電圧を直結時の1/31/\sqrt{3}倍(約58%)に下げます。
  • 運転時(デルタ結線):定格電圧で力強く回転させます。

試験で狙われる「数値」のポイント

第二種電気工事士の筆記試験では、結線の切り替えによって電流やトルクがどう変化するかがよく問われます。以下の数値はセットで覚えておきましょう。

  1. 始動電流が1/3になる:スター結線にすることで、全電圧始動に比べて電流を3分の1に抑えられます。
  2. 始動トルクも1/3になる:電流が減る分、回り始める力(トルク)も3分の1に落ちてしまいます。そのため、重い荷物を回し始めるのには向きません。

他の選択肢が誤りである理由

試験対策として、他の電動機がどのような始動を行うかも整理しておくと、消去法が使えるようになります。

  • ロ. 三相巻線形誘導電動機 構造が「かご形」とは異なります。こちらは回転子側に抵抗をつなぐ**「二次抵抗始動法」**を用います。
  • ハ. 直流分巻電動機 そもそも交流ではなく「直流(DC)」で動くモーターです。
  • ニ. 単相誘導電動機 家庭用コンセントなどの単相交流で動くモーターです。スター結線やデルタ結線という概念(三相が必要)がないため、**「コンデンサ始動形」**などが用いられます。

実務と試験での出現パターン

この知識は、筆記試験だけでなく実技(技能試験)の配線図問題や、写真鑑別問題でも役立ちます。 「5.5kW以上の三相誘導電動機には、原則として始動装置を設ける」というルールがあるため、図面の中で**「ΔY\Delta-\text{Y}「スターデルタ始動器」**という名称を見かけたら、それは必ず三相かご形誘導電動機につながっていると判断してください。

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