令和6年度 上期 学科試験 問25 解説
アナログ形絶縁抵抗計(電池内蔵)を用いた絶縁抵抗測定に関する記述として,誤っているものは。
- イ. 絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗計の電池が有効であることを確認する。
- ロ. 絶縁抵抗測定の前には,絶縁抵抗測定のレンジに切り替え,測定モードにし,接地端子(E:アース)と線路端子(L:ライン)を短絡し零点を指示することを確認する。
- ハ. 電子機器が接続された回路の絶縁測定を行う場合は,機器等を損傷させない適正な定格測定電圧を選定する。
- ニ. 被測定回路に電源電圧が加わっている状態で測定する。 ✓ 正答
解説
この問題の正解は「ニ」です。絶縁抵抗計を用いた測定では、被測定回路を必ず停電(電源を切った状態)にしてから測定しなければなりません。回路に電圧がかかった状態で絶縁抵抗計を接続すると、測定器の故障や感電事故の原因となるため、このルールは絶対です。
flowchart TD
A[測定前] --> B{停電確認したか}
B -- はい --> C[絶縁抵抗計を接続]
C --> D[測定実施]
B -- いいえ --> E[測定禁止]絶縁抵抗測定の基本的なルール
絶縁抵抗計は、機器の内部で発生させた直流電圧を電路に印加し、その漏れ電流を測定することで抵抗値を割り出します。もし回路にすでに電源電圧がかかっていると、その電圧が測定器に逆流し、内部回路を破壊する恐れがあります。また、誤った測定値が示されるだけでなく、測定者が感電する危険性も非常に高まります。試験対策としては、絶縁抵抗測定=停電確認が必須であると覚えておきましょう。
各選択肢の解説
イとロは、測定を始める前の準備として重要な手順です。アナログ形絶縁抵抗計は使用前に電池が正常かを確認し、さらにL端子とE端子を短絡してメーターが零(0メガオーム)を指すことを確認する校正作業が欠かせません。これを行わないと、測定値の信頼性が確保できません。
ハについては、電子機器などが接続されている場合の注意点です。絶縁抵抗計は高電圧を印加するため、測定対象に半導体や電子制御機器が含まれていると、その電圧によって機器が故障することがあります。そのため、試験では測定対象に応じて電圧を切り替えたり、測定前に機器を回路から切り離したりするなどの保護措置が必要であると理解しておく必要があります。
絶縁抵抗測定が問われる場面
この分野は、第二種電気工事士の筆記試験において「測定方法」および「安全管理」の両面から頻出です。特に「停電させてから測定する」というルールは、実技試験(技能試験)でも同様であり、回路を組む際や点検を行う際の基本動作として身につけておくべき事柄です。
また、関連知識として「漏れ電流を測定する場合(クランプ式接地抵抗計など)」や「接地抵抗計による測定」との違いも整理しておくと、より得点源になります。絶縁抵抗計はあくまで「絶縁性能(電気の漏れにくさ)」を測るものであり、電源供給状態とは切り離して考えるのが鉄則です。