令和6年度 下期 学科試験 問14 解説
極数6の三相かご形誘導電動機を周波数60Hzで使用するとき,最も近い回転速度[min⁻¹]は。
- イ. 600
- ロ. 1200 ✓ 正答
- ハ. 1800
- ニ. 3600
解説
誘導電動機の回転速度を求める問題は、公式 を暗記して数字を代入するだけで解くことができます。
今回の問題では、周波数 [Hz]、極数 なので、これらを式に当てはめると、 [min⁻¹] となり、選択肢ロが正解となります。
flowchart LR
A[周波数 f = 60Hz] --> C["Ns = 120f / P"]
B[極数 P = 6] --> C
C --> D[同期速度 Ns = 1200min^-1]
D --> E[正解: ロ]同期速度と誘導電動機の特性
この公式で求められる は同期速度と呼ばれ、固定子に流れる交流電流によって作られる回転磁界の速さを指します。三相誘導電動機は、この回転磁界に引きずられるようにして回転子(ローター)が回る仕組みです。
実務上の誘導電動機では、回転子が回転磁界よりもわずかに遅れて回る「すべり」という現象が発生します。そのため、実際の回転速度は同期速度よりも数パーセント低い値となりますが、試験において「最も近い値」を問われた場合は、この公式で算出される同期速度を選択すれば間違いありません。
回転速度を決める要素
誘導電動機の回転速度を左右するのは、周波数 と極数 の2つだけです。この関係から、いくつか典型的なパターンを覚えておくと計算の手間が省けます。
・周波数 60Hz の場合 極数 2:3600 min⁻¹ 極数 4:1800 min⁻¹ 極数 6:1200 min⁻¹ 極数 8:900 min⁻¹
・周波数 50Hz の場合 極数 2:3000 min⁻¹ 極数 4:1500 min⁻¹ 極数 6:1000 min⁻¹
試験では、周波数が 50Hz なのか 60Hz なのか、極数がいくらなのかという数値を読み違えないことが最も重要です。極数 が大きくなればなるほど、分母が大きくなるため回転速度は遅くなるというイメージを持っておくと、計算ミスをした際に違和感に気づきやすくなります。
この公式は、誘導電動機の回転速度を求める問題だけでなく、同期発電機の回転速度や、インバータ制御による速度変化を考える際の基本知識として定着させておきましょう。