第二種電気工事士 / 令和6年度 下期 学科試験 / 問9
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令和6年度 下期 学科試験 問9 解説

設問図

図のように定格電流125Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して, 10mの位置に過電流遮断器を施設するとき, a-b間の電線の許容電流の最小値[A]は。

  1. イ. 44
  2. ロ. 57 ✓ 正答
  3. ハ. 69
  4. ニ. 89

解説

この問題は、分岐点から過電流遮断器までの「距離」によって電線の許容電流が決まるというルールを覚えているかが問われます。

計算手順は以下の通りです。

  1. 分岐点から遮断器までの距離が10mであることを確認します。
  2. 距離が8mを超え15m以下であるため、幹線の過電流遮断器の定格電流の35%(0.35倍)以上の許容電流が必要であると判断します。
  3. 125×0.35=43.75125 \times 0.35 = 43.75 [A] となります。
  4. この値(43.75A)以上である必要があるため、選択肢の中でこれを超える最小の値である57Aを選択します。
flowchart TD
    A[分岐点〜遮断器の距離を確認] --> B{10m はどの区分?}
    B -->|8m超〜15m以下| C[必要割合 35%]
    C --> D[125A × 0.35 = 43.75A]
    D --> E[43.75A以上の最小選択肢]
    E --> F[57A]

分岐回路の許容電流ルール

低圧屋内幹線から分岐して過電流遮断器を施設する場合、その分岐点から遮断器までの電線は、幹線の保護装置が働く前に過熱しないよう、あらかじめ定められた太さ(許容電流)を確保しなければなりません。距離に応じた規定は以下のようになっています。

  • 距離が3m以下の場合:幹線の定格電流の35%以上
  • 距離が3mを超え8m以下の場合:幹線の定格電流の55%以上
  • 距離が8mを超え15m以下の場合:幹線の定格電流の35%以上(今回のケース)

なお、距離が15mを超える場合は、幹線の定格電流と同等の許容電流(100%以上)が必要となります。

なぜ10mで35%なのか

この規定には「距離が長いほど、電線が長くなり電気抵抗が増えるため、万が一の短絡時に流れる電流が小さくなる(遮断器が動作しにくくなる)」という物理的な側面と、「電線自体が損傷しにくい箇所にあるか」という安全性への配慮が含まれています。

ただし、試験対策としては、距離の区分(3m、8m、15m)と、それに紐づく割合(35%、55%、35%、100%)をセットで暗記するのが一番の近道です。今回の「8m超〜15m以下」で「35%」という数字は、一見すると3m以下のルールと同じに思えるため、混乱しやすいポイントです。試験直前には必ず表を書いて整理しておきましょう。

実務や他の問題への応用

このルールは、工場やビルなどの配線設計において非常に重要です。幹線から動力を取り出す際、制御盤をどこに配置するかによって、配線の太さ(イコール、コスト)が大きく変わるためです。

試験では、今回のように「計算して選択肢から選ぶ」パターンだけでなく、「規定の%を答えさせる」問い方や、逆に「電線の許容電流から遮断器の配置可能な距離を問う」パターンもよく出題されます。どのような問われ方であっても、距離と電流値の関係を正確に把握できていれば確実に得点源にできます。

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