第二種電気工事士 / 令和5年度 下期 学科試験(午前) / 問1
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令和5年度 下期 学科試験(午前) 問1 解説

設問図

図のような直流回路で、a-b間の電圧 [V] は。

  1. イ. 10
  2. ロ. 20 ✓ 正答
  3. ハ. 30
  4. ニ. 40

解説

a点を電位の基準(0V)として、b点の電位を算出することで求めます。基準点からの電位の差が、そのままa-b間の電圧となります。

この回路を解く鍵は、回路の中央にある接地(アース)記号です。接地点は電位の基準となり、常に0Vとして扱います。図を見ると、a点は接地点に直結しているため、a点の電位は0Vです。

次に回路全体の電圧配置を確認します。二つの100Vの直流電源が直列につながれており、その中間が接地されています。このため、回路の一番上のラインはa点より100V高い「+100V」、一番下のラインはa点より100V低い「-100V」の状態になります。つまり、右側の抵抗が並んでいる枝路全体には、上から下までで合計200V(100Vから-100Vまでの差)の電圧がかかっています。

flowchart TD
    T["上側ライン (+100V)"] -->|"20Ω"| B["b点 (+20V)"]
    B -->|"30Ω"| L["下側ライン (-100V)"]
    A["a点 (0V)"] --- G["接地 (0V基準)"]

次に、右側の直列回路に流れる電流を計算します。20Ω20\Omega30Ω30\Omegaの抵抗が直列になっているので、合成抵抗は、 20Ω+30Ω=50Ω20\Omega + 30\Omega = 50\Omega です。この枝路全体に200Vがかかっているため、流れる電流IIはオームの法則より、 I=200V/50Ω=4AI = 200V / 50\Omega = 4A と求められます。

b点の電位は、一番上のライン(+100V)から、20Ω20\Omegaの抵抗による電圧降下分を差し引いた値になります。20Ω20\Omegaの抵抗での電圧降下は、 4A×20Ω=80V4A \times 20\Omega = 80V です。したがって、b点の電位は、 100V80V=20V100V - 80V = 20V となります。a点が0Vですので、a-b間の電圧(電位差)は20Vです。

電位と電圧の考え方 電気回路の問題では「電圧」と「電位」を区別して考えることが重要です。電圧はある二点間の「差」を指しますが、電位は基準点(0V)から見た「高さ」を指します。第二種電気工事士の筆記試験では、このように接地記号を基準にして各部の電位を計算させる問題が頻出します。

分圧の法則による別解 電流を求めずに「分圧の法則」を使って解くこともできます。20Ω20\Omega30Ω30\Omegaの抵抗で200Vを分け合うとき、それぞれの抵抗にかかる電圧は抵抗値の比に比例します。下側の30Ω30\Omegaの抵抗にかかる電圧VVは、 V=200V×(30/(20+30))=120VV = 200V \times (30 / (20 + 30)) = 120V となります。b点は、一番下のライン(-100V)から120V分だけ電位が上がった地点にあるため、 100V+120V=20V-100V + 120V = 20V と計算でき、同じ結果が得られます。

実務や他問題への応用 この「電位」の考え方は、実務において非常に重要な「単相3線式回路」の理解に直結します。単相3線式では中性線を接地するため、この問題と同じように0Vを基準とした電圧配分が行われます。中性線が断線した際に特定の負荷に過大な電圧がかかる計算問題などは、まさにこの回路構成の応用です。基準点から上へいくら、下へいくらというイメージを持つことが、直流回路だけでなく配線設計の理解を深める助けになります。

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