第一種電気工事士試験 / 令和8年度上期 学科試験 / 問26
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令和8年度上期 学科試験 問26 解説 工具の名称

設問図

写真に示す工具の名称は。

  1. イ. 手動油圧式圧着器
  2. ロ. 油圧式パイプベンダ
  3. ハ. ケーブルカッタ
  4. ニ. ノックアウトパンチャ ✓ 正答

解説

手動ポンプとホース、そして先端のシリンダー部分に装着されたパンチ(刃)とダイ(受け)の組み合わせから、この工具は金属製キャビネット等に丸穴を開けるためのノックアウトパンチャであると判断します。

金属板に精密な穴を開ける専用工具

ノックアウトパンチャは、配電盤や制御盤などの鋼板に、電線管を接続するための穴を開けるために使用されます。写真のような分離式は、手動の油圧ポンプで発生させた圧力をホース経由でシリンダーへ伝え、強力な力でパンチを押し込むことで、厚みのある金属板でも正確かつ綺麗に打ち抜くことができます。

電気工事の現場では、あらかじめ裏側に溝が切ってある「ノックアウト穴」がない場所に穴を開ける際や、既存の穴を広げる際に欠かせない工具です。ホルソー(ドリル)による穴あけに比べて切り粉が出にくく、火花の発生を抑えられるという利点もあります。

構成パーツと作動の仕組み

この工具を正しく識別するポイントは、先端部にあるパンチとダイの形状です。ボルトが貫通した円筒状の部品が組み合わさっており、この間に金属板を挟み込んで使用します。

  1. あらかじめ金属板に下穴を開け、そこにパンチャのボルトを通します。
  2. 反対側からパンチをセットして締め込み、板を挟んだ状態にします。
  3. 手動ポンプのレバーを操作して油圧を送ると、パンチがダイ側に引き込まれ、金属板が打ち抜かれます。

写真下側の長い筒状のパーツが油圧を発生させる手動ポンプ、そこから伸びる黒いホース、そして先端の銀色のユニットが油圧シリンダーとパンチ・ダイのセットです。

類似する油圧工具との見分け方

選択肢にある他の工具も油圧を利用するものがありますが、形状には明確な違いがあります。

イの手動油圧式圧着器は、電線を端子に圧着するための工具です。先端は「ダイス」と呼ばれる、端子を潰すための顎のような形状をしています。

ロの油圧式パイプベンダは、厚鋼電線管などを曲げるための工具です。パイプを当てるための「シュー」と呼ばれる半円形の部品と、それを支える大きなフレームが特徴で、ノックアウトパンチャよりも全体的に大型で堅牢な構造をしています。

ハのケーブルカッタは、太い電線を切断するための工具です。先端はハサミのような鋭い刃になっており、対象物を挟み切る構造をしています。

現場での活用と第一種試験における重要性

第一種電気工事士の現場では、高圧受電設備(キュービクル)の設置や、大規模な制御盤の加工を伴う作業が多く発生します。これらの設備は頑丈な鋼板で作られているため、手作業で穴を開けるのは困難です。

ノックアウトパンチャのような油圧工具を使いこなす知識は、作業の効率化だけでなく、施工品質の維持にも直結します。試験において写真判別問題として出題されるのは、現場で使われる主要なプロ用工具の名称と用途を正しく一致させ、実務への適応力を問う意図があるからです。

参考リンク

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