第一種電気工事士試験 / 令和8年度上期 学科試験 / 問1
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令和8年度上期 学科試験 問1 解説 点電荷間に働く力

設問図

図のように, 空気中に距離 r[m]離れて, 2 つの点電荷+Q [C]と-Q [C]があるとき, これらの点電荷間に働く力 F[N]は.

  1. イ. Q/r^2 に比例する
  2. ロ. Q/r に比例する
  3. ハ. Q^2/r^2 に比例する ✓ 正答
  4. ニ. Q^3/r に比例する

解説

クーロンの法則の公式 F=kQ1Q2r2F = k \frac{Q_1 Q_2}{r^2} に、問題文で与えられた電荷の大きさ QQ と距離 rr を代入して判断します。電荷の積が Q×Q=Q2Q \times Q = Q^2 となり、分母が r2r^2 であることから、力 FFQ2/r2Q^2 / r^2 に比例することがわかります。

電気の力の基本となるクーロンの法則

クーロンの法則は、2つの電荷の間に働く力の大きさを定義した物理学の基本的な法則です。第一種電気工事士の試験では、電気理論の入り口としてこの比例・反比例の関係を問う問題が頻出します。この法則には、以下の2つの大きな特徴があります。

  1. 力の大きさは、2つの電荷の大きさの積(掛け算)に比例する。
  2. 力の大きさは、電荷同士の距離の2乗に反比例する。

今回の問題では、電荷の符号がプラスとマイナスであるため、これら2つの点電荷の間には引き合う力(吸引力)が働きます。しかし、選択肢で問われているのは力の向きではなく「大きさの比例関係」であるため、符号に関わらず電荷の量 QQ に注目して解き進めることになります。

数式から比例関係を導き出す思考プロセス

公式 F=kQ1Q2r2F = k \frac{Q_1 Q_2}{r^2} において、それぞれの変数に問題文の条件を当てはめてみましょう。

まず、2つの電荷の大きさ Q1Q_1Q2Q_2 ですが、問題文ではどちらも Q[C]Q [C] とされています(符号は向きに関係しますが、大きさの計算では QQ として扱います)。これらを掛け合わせると Q×Q=Q2Q \times Q = Q^2 となります。次に、距離 r[m]r [m] はそのまま r2r^2 として分母に残ります。比例定数を kk とすると、式は以下のようになります。

F=kQ2r2F = k \frac{Q^2}{r^2}

この式を眺めると、分子にある Q2Q^2 が大きくなれば FF も大きくなり、分母にある r2r^2 が大きくなれば FF は小さくなることが見て取れます。したがって、力 FFQ2/r2Q^2 / r^2 という塊に比例していると結論付けられます。

選択肢を見ると、イは QQ の1乗、ロは rr の1乗、ニは QQ の3乗となっており、公式の定義と一致しません。2乗というキーワードを正確に捉えることが正解への近道です。

現場で役立つ距離と力の感覚

この点電荷の計算は、一見すると抽象的な理論に見えますが、電気設備の現場における安全設計の根底にある考え方です。例えば、高圧電線や機器の端子間で発生する放電を防ぐための離隔距離(絶縁距離)の決定には、この「距離の2乗に反比例して影響が弱まる」という性質が深く関わっています。

また、電荷が2倍になったとき、働く力は2倍ではなく4倍(2の2乗)になるという点は非常に重要です。電圧が高まればそれだけ静電気が蓄積されやすくなりますが、その際に働く物理的な力や火花の飛びやすさは、条件の変化に対して加速度的に増大します。

第一種電気工事士として高圧受電設備などを扱う際、わずかな距離の不足や電荷の蓄積が大きな事故に繋がるというリスク感覚を養う上で、このクーロンの法則を理解しておくことは非常に教育的な意味を持っています。

参考リンク

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