令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問33 解説 受電設備図の機器名称
問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,自家用電気工作物構内の受電設備及び電灯設備を表した図である。この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。
- イ
- ロ ✓ 正答
- ハ
- ニ
解説
金属製可とう電線管工事の基本ルール
この問題は、金属製可とう電線管工事において使用してよい電線の種類に関する知識を問うています。判断の根拠は「管内配線には屋外用ビニル絶縁電線(OW)を使用してはならない」という点に集約されます。電技解釈第161条に基づき、管内に収める電線は絶縁電線(屋外用を除く)と規定されているため、選択肢ロが不適切となります。
屋外用ビニル絶縁電線が選ばれない理由
屋外用ビニル絶縁電線(OW)は、その名の通り屋外の架空配線用として設計されています。この電線は、強固な絶縁被覆を持っていますが、管内に引き入れることを前提とした設計ではないため、いくつかの欠点があります。
第一に、管内での摩擦係数が高く、引き入れ作業時に外装が損傷しやすいという問題があります。第二に、OW線は難燃性が十分に考慮されていない場合が多く、万が一の火災時に管内で燃焼が広がるリスクがあります。これに対し、管内配線に使用するIV線などの絶縁電線は、配管作業に適した柔軟性や滑りやすさ、および難燃性が確保されています。
選択肢の検討プロセス
この問題は、消去法ではなく知識の照合で解くのが正攻法です。
・イ:終端部の処理 金属製可とう電線管の終端を閉そくし、壁面に固定することは、物理的な損傷保護や塵埃の侵入防止の観点から正しい施工です。
・ロ:使用電線の選定 屋外用ビニル絶縁電線は屋外配線専用であり、金属管や合成樹脂管、可とう電線管などの管内配線には使用できないというルールを適用します。
・ハ:分岐接続と送り端子 ボックスを用いた分岐接続は配線の基本です。また、照明器具が送り端子を有する場合、それを利用した送り配線は施工の簡略化と効率化を図るために一般的な手法です。
・ニ:環境対策 内部にじんあいや水分が侵入すると、電線の被覆劣化やトラッキング現象の原因となります。これを防ぐために適切な取付けを行うことは、電気工事における基本原則です。
配線工事の安全性と設計思想
金属製可とう電線管工事は、振動のある場所や複雑な経路を通す配線に適しています。この工事において最も重要なのは、一度閉鎖された空間(管内)に電線を通す以上、後からメンテナンスや交換が極めて困難であるという前提です。そのため、劣化しにくい電線を選定すること、そして施工段階で傷をつけないことが重要視されます。
屋外用ビニル絶縁電線は、本来であれば日光(紫外線)や雨風に耐えることに特化しており、管内という「密閉された環境」に適した性能バランスとは異なります。試験の意図として、配線の用途や環境と、使用する材料の特性を正しく一致させることができるかを試しています。