令和7年度 下期 学科試験 問47 解説 計器用変成器の役割
⑦で示す機器の役割は。
- 地絡電流を検出する。
- 高電圧を低電圧に変換する。
- 高圧電路の電流を変換する。 ✓ 正答
- 電路に侵入した過電圧を抑制する。
解説
計器用変成器の識別と役割
この問題の図記号を見て、それが変流器(CT: Current Transformer)であることを瞬時に判断できるかがポイントです。配線図の記号において、円の中に「CT」という文字が書かれているか、あるいは特定の変成器のシンボルが描かれている場合、それは高圧回路の電流を計測用の小電流に変換する機器を指します。
選択肢から、電圧を変換する機能(VT)や、地絡電流を検出する機能(ZCT)、過電圧を抑制する機能(避雷器)を除外することで、消去法でも確実に正解を導き出せます。
変流器(CT)の基礎知識
変流器は、高圧回路に流れる大電流を、計測器や保護継電器が扱える小電流(一般的に二次側定格電流は5A)に変換して取り出すための計器用変成器です。
なぜ変換が必要かというと、高圧回路の大電流を直接メーターに引き込むことは、絶縁距離の確保やメーター自体の耐電流性能の面で非常に危険であり、かつ不経済だからです。CTを介することで、測定回路を絶縁し、かつ細い配線でメーターまで信号を伝えることが可能になります。
判断の思考プロセス
試験でこの問題に出会った際は、まず記号の周辺情報を確認してください。
- その機器が接続されている回路は何か(電流が流れる主回路か、電圧を測定するための回路か)。
- 記号の中に何と書かれているか(CTなら電流、VTなら電圧)。
- 接続されている機器は何か(電流計ならCT、電圧計ならVT)。
問題の「⑦で示す機器」という問いは、単にその役割を暗記しているかだけでなく、図面の中でどの機器とペアになっているか(=どの目的で使われているか)を読み解く能力を求めています。CTであれば、必ず電流を扱う機器とセットになっているはずです。
現場で求められる変流器の取り扱い
実際の現場において、CTの二次側回路には非常に重要なルールがあります。それは「CTの二次側を絶対に開放してはいけない」という点です。
CTは電流を変換する機器ですが、二次側を開放(オープン)にすると、鉄心内で非常に高い電圧が発生し、機器の焼損や感電事故を引き起こす恐れがあります。計測器の交換や点検などで回路を触る際は、必ず二次側を短絡(ショート)させてから作業を行うという知識が、資格保有者としての必須教養となります。この試験問題は、そうした機器の基本原理を理解しているかを確認する非常に実用的な設問です。