第一種電気工事士試験 / 令和7年度 下期 学科試験 / 問43
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令和7年度 下期 学科試験 問43 解説 高圧受電設備停電手順

③で示すa,b,cの機器において, この高圧受電設備を点検時に停電させ るための開路手順として,最も不適切 なものは。

  1. イ. b → a → c ✓ 正答
  2. ロ. c → b → a
  3. ハ. a → b → c
  4. ニ. c → a → b

解説

この問題は、高圧受電設備における停電操作の「原則」を問うものです。開路(電源を切る)手順の鉄則は、常に「負荷側から電源側へ」向かうことです。本問の場合、負荷電流を遮断できる遮断器を最初に開き、その後、遮断能力を持たない断路器などを操作するというのが正解を導く鍵となります。

なぜ負荷側から順に開くのか

電気設備において、電流を遮断する際に最も注意すべき点は「アークの発生」です。もし遮断能力のない断路器(DS)で電流を遮断しようとすれば、激しいアークが発生し、機器の損傷や作業者の感電事故につながる恐れがあります。

そのため、高圧受電設備では次のような役割分担があります。 ・遮断器(CB):負荷電流や短絡電流を遮断できる。 ・断路器(DS):回路を切り離すためのもので、原則として電流が流れていない状態(無負荷状態)で操作する。

停電作業では、まず遮断器を開放して確実に電流を遮断し、回路が無負荷になったことを確認してから、安全のために断路器を開放します。つまり、回路図において電源から遠い方(負荷側)から順に、電流を遮断できる機器を優先的に操作していくのが鉄則です。

機器の並びから手順を判断する思考回路

一般的な高圧受電設備(自家用電気工作物)の構成は、受電点から順に以下のようになります。

  1. 電源側
  2. 断路器(DS)
  3. 遮断器(CB)
  4. 負荷側

もし今回の問題図で、aが断路器、bが遮断器、cが負荷と仮定した場合、停電させるには「まず負荷電流を止める(bを開く)」→「回路を切り離す(aを開く)」という流れが必要です。

設問の選択肢「イ」にある「b → a → c」という順序は、この原則に反しています。もしcが負荷側にある機器であれば、停電操作の最後にcを操作することはあっても、b(遮断器)よりも後に操作するというのは手順として不適切です。試験において最も不適切なものを選ぶ際は、この「電流が流れている回路をどこで切るか」という物理的な正当性に注目してください。

現場で求められる安全の判断基準

この知識は、単なる試験対策を超えて、実際の電気保安業務において極めて重要です。現場では、誤操作が死亡事故に直結するため、インターロック機構(特定の条件を満たさないと操作できない仕組み)が設けられています。

例えば、遮断器が閉まっている状態では断路器を操作できないように物理的なロックがかかっているのが一般的です。しかし、インターロックに頼り切るのではなく、電気技術者として「なぜこの順序でなければならないのか」「今、どの機器で回路が切断されたのか」を論理的に理解しておくことが、不測の事態を防ぐ唯一の手段となります。

電気主任技術者や電気工事士として設備管理を行う際、図面上の機器配置を瞬時に読み取り、どのような順番で操作すべきかをイメージできる能力は、最も基礎的かつ必須のスキルといえます。

参考リンク

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