第一種電気工事士試験 / 令和7年度 下期 学科試験 / 問40
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令和7年度 下期 学科試験 問40 解説 変圧器の接地

「電気設備に関する技術基準を定める省令」 において,「高圧又は特別高圧の電路と低圧 の電路とを結合する変圧器は,高圧又は特別 高圧の電圧の侵入による低圧側の電気設備の 損傷,感電又は火災のおそれがないよう, 当該変圧器における適切な箇所に と規定されている。 上記の空欄にあてはまるものとして,正し いものは。

  1. イ. 接地を施さなければならない。 ✓ 正答
  2. ロ. 断路器を施設しなければならない。
  3. ハ. 開閉器を施設しなければならない。
  4. ニ. 遮断器を施設しなければならない。

解説

この問題は、電気設備技術基準の省令における「混触」に対する安全対策を問う典型的な知識問題です。選択肢のうち、高圧側と低圧側の絶縁破壊などで高電圧が低圧側に侵入することを防ぐ(または被害を最小限に抑える)ための措置として定められているのは「接地」のみであると判断します。

高圧と低圧の混触防止と接地

変圧器の内部で、高圧コイルと低圧コイルが混触(絶縁不良により接触すること)した場合、本来は低圧側に現れないはずの高電圧が低圧側の回路に現れてしまいます。これを放置すると、低圧機器の絶縁破壊による火災や、人への感電事故が発生する恐れがあります。

この事態に対処するため、法律では「高圧又は特別高圧の電路と低圧の電路とを結合する変圧器」の低圧側回路に対し、混触防止のための接地工事(B種接地工事)を義務付けています。この接地を施しておくことで、仮に混触が発生しても、地絡電流を確実に流して保護装置(遮断器など)を速やかに動作させ、あるいは低圧側の対地電圧上昇を抑えることで被害を食い止めることができるのです。

条文の背景にある安全性

問題文にある「高圧又は特別高圧の電圧の侵入による低圧側の電気設備の損傷、感電又は火災のおそれ」という一文は、電気設備技術基準における安全の考え方そのものです。

試験対策として考える際は、以下のポイントをセットで覚えておくと効率的です。

  1. 目的:混触時の事故防止(人命保護と火災抑止)
  2. 対象:高圧・特別高圧から低圧に変換する変圧器
  3. 措置:低圧側の電気設備に接地を施すこと

断路器や遮断器、開閉器は、いずれも回路の切り離しや保護を行う機器ですが、それ自体が混触時の異常電圧を逃がす役割を果たすわけではありません。これらの機器は「過電流」や「短絡」からの保護が主な役割であり、混触による電位上昇という「異常電圧」への対策としては「接地」が必須となります。

実務現場における電気工事士の役割

この知識は、現場での受変電設備工事やメンテナンスにおいて不可欠です。キュービクル(高圧受電設備)内の変圧器を設置・点検する際、変圧器二次側の接地線が正しく接続されているか、またその接地抵抗値が基準を満たしているかを確認することは、電気工事士の非常に重要な業務です。

試験では単なる用語の穴埋めとして出題されますが、実際の現場では、その接地線が一本外れているだけで、万が一の故障時に低圧側の家庭用電化製品などが全て焼き切れたり、居住者が感電死したりする危険があります。この「接地」という言葉の裏にある「命を守るための回路」という認識を持つことが、合格への確実なステップとなります。

参考リンク

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