令和7年度 下期 学科試験 問24 解説 金属可とう電線管
低圧屋内配線の金属可とう電線管工事に使用する電線管に関する記述として,誤っているものは。
- イ. 1種金属可とう電線管は,2種金属可とう電線管より耐水性に優れている。 ✓ 正答
- ロ. 金属可とう電線管は,「電気用品安全法」の適用を受ける。
- ハ. 1種金属可とう電線管の厚さは0.8mm以上である。
- ニ. 金属製可とう電線管は,手で自由に曲げることができる。
解説
誤った記述を見抜く判断基準
この問題は、1種と2種という2種類の金属製可とう電線管の特性を比較する知識が問われています。判断のポイントは、「2種の方が構造的に強固で防水性能が高い」という基本原則を知っているかどうかです。選択肢イのように、1種の方が優れていると断言している箇所が誤りとなります。
金属製可とう電線管の種類と特徴
金属製可とう電線管は、その名の通り「曲げることができる(可とう性がある)」金属管です。
1種金属製可とう電線管は、薄い鋼帯を渦巻き状に巻いて作られています。構造がシンプルであるため非常に柔らかく扱いやすい反面、すき間があるため防水性能は低く、機械的な衝撃にも弱いという特徴があります。一方で2種金属製可とう電線管は、1種に比べて鋼帯の厚みがあり、さらに外側に樹脂被覆(塩化ビニルなど)を施しているものが一般的です。この被覆により、高い防水性・気密性を確保し、機械的強度も向上させています。したがって、「2種=防水・強度が強い」「1種=防水・強度が弱い」という対比構造で覚えるのが鉄則です。
知識の整理と正誤判定のプロセス
問題文を検討する際は、以下の視点で各選択肢を評価します。
選択肢イの「1種が2種より耐水性に優れている」という記述は、先述の通り事実と逆です。これが誤りとなります。
選択肢ロについては、電気工事で使用する資材は基本的に電気用品安全法の技術基準に適合している必要があります。金属製可とう電線管も例外ではありません。
選択肢ハの「1種は厚さ0.8mm以上」という数値は、JIS規格等で定められた設計上のルールです。この0.8mmという数値は、試験において暗記しておくべき重要なスペック値です。
選択肢ニの「手で自由に曲げることができる」は、可とう電線管の最大の存在意義です。金属管(厚鋼電線管や薄鋼電線管)が曲げ器を必要とするのに対し、可とう電線管は手で自在に配線経路を作れるため、複雑な場所での施工に適しています。
現場における実務的な使い分け
この知識は、実際の工事現場で「どこにどの管を使うべきか」を選択する判断力に直結します。
例えば、乾燥した場所で短距離の接続を行う場合は、安価で施工性の高い1種可とう電線管が選ばれることが多いです。一方で、湿気の多い場所や、屋外、あるいは水滴がかかる恐れがある場所では、防水性の高い2種可とう電線管の使用が不可欠です。
試験では単なる知識の確認に見えますが、これは「環境に適した材料を選定する」という電気工事士の基本的な責務を問う内容といえます。施工場所の条件を見て、その場所に必要な強靭さや防水性能を正しく判断できるかどうかが、実務における安全確保の第一歩となるのです。