令和6年度 下期 学科試験 問39 解説 一般用電気工作物の範囲
小規模発電設備のうち,一般用電気工作物 に含まれないものは。
- イ. 太陽電池発電設備であって,出力10kW未満のもの。
- ロ. 風力発電設備であって,出力10kW未満のもの。 ✓ 正答
- ハ. 内燃力を原動力とする火力発電設備であって,出力10kW未満のもの。
- ニ. 水力発電設備であって,最大使用水量が毎秒1m³未満のもの(ダムを伴う ものを除く。)の出力20kW未満のもの。
解説
一般用電気工作物の定義を覚える
この問題は、発電設備の規模による「一般用電気工作物」か「事業用電気工作物」かの境界線を問うものです。ポイントは、設備の種類ごとに定められた出力の基準を正確に暗記しているかどうかです。
今回の選択肢はすべて「小規模な発電設備」に関するものですが、風力発電については、出力20kW未満であれば一般用電気工作物に含まれます。したがって、ロの「10kW未満」という記述は、そもそも一般用電気工作物の範囲内であり、問いの「含まれないもの」という条件と合致しない(あるいは、問題文の前提において分類が誤っている)という判断になります。
一般用と事業用の境界線
電気事業法において、電気工作物は「一般用電気工作物」と「事業用電気工作物」に大別されます。一般家庭や小規模な事業所に設置される設備は一般用電気工作物として扱われ、技術基準の適合維持義務などが緩和されています。
発電設備の場合、その種類と出力によって以下の通りに区分されます。
・太陽電池:50kW未満は一般用 ・風力発電:20kW未満は一般用 ・内燃力発電:10kW未満は一般用 ・水力発電:20kW未満(ダムなし)は一般用 ・燃料電池:10kW未満は一般用
今回の選択肢において、風力発電は20kW未満が一般用の範囲です。選択肢ロでは「10kW未満」とありますが、これは20kW未満という範囲の中に含まれるため、「一般用電気工作物に含まれないもの」を選ぶ設問としては誤り(正解)となります。他の選択肢はそれぞれの基準値が適切に設定されており、すべて一般用電気工作物に含まれるケースとして記載されています。
なぜこの知識が試験に必要なのか
電気工事士試験において、この区分を問う問題が出題される理由は、工事に携わる際の責任範囲と安全基準を明確にするためです。
一般用電気工作物の工事を行う場合は「第一種または第二種電気工事士」の資格があれば実施可能ですが、事業用電気工作物(自家用電気工作物を含む)となると、工事の種類や規模に応じてさらに高度な知識や管理体制、あるいは主任技術者の選任が求められます。
実務においては、これから設置しようとしている発電設備が「一般用」なのか「事業用」なのかを即座に判断できなければ、法的な手続きや工事の届け出、保安規定の策定などが適切に行えません。設計や施工計画の段階で、これらの境界線を知っていることは、法令遵守のための最低限のスタートラインとなります。
発電設備の出力による分類の考え方
試験対策として丸暗記する際は、以下のステップで整理すると効率的です。
- 最大規模の太陽電池(50kW)を覚える
- 中規模の風力と水力を20kWでグループ化する
- 最小規模の内燃力と燃料電池を10kWでグループ化する
このように、数字の大きい順に整理することで、試験当日の記憶の引き出しを整理しやすくなります。問題文を読んだ際、「この発電設備はどの区分かな?」と瞬時に分類できる訓練を積んでおきましょう。