令和6年度 下期 学科試験 問25 解説 防爆電気工事
爆燃性粉じんのある危険場所での金属管 工事において, 施工する場合に使用できない 材料は。
- イ.
- ロ. ✓ 正答
- ハ.
- ニ.
解説
爆燃性粉じんのある危険場所における金属管工事では、防爆構造の電気機器や付属品を使用することが技術基準で義務付けられています。選択肢のなかで唯一、標準的な一般住宅やビル等で使われる「薄鋼電線管用ノーマルベンド(またはプルボックス)」であるロの器具は防爆性能を備えておらず、この場所で使用することはできません。
防爆電気設備の基礎知識
爆燃性粉じんが存在する場所とは、可燃性の粉じんが空気中に浮遊し、電気機器から発生する小さな火花や高温によって爆発を起こす危険がある環境を指します。このような場所では、万が一、機器の内部で火花が発生しても外部へ引火させないような構造、つまり「防爆構造」を備えた機器が必須となります。
具体的には、以下の特徴を持つものを選別する必要があります。
・頑丈な金属製の筐体(鋳造品など) ・接合面が平滑で、火炎が外部に漏れにくい隙間制御が施されている ・電線管の接続部がネジ切りされている(ねじ込み式)
選択肢の判断プロセス
出題されている各画像を見ていきましょう。
イ. 防爆構造のフィッティング(継手)です。粉じんや気体の侵入を防ぐ気密性の高い構造をしています。 ロ. 一般的な電線管工事で使用されるプルボックス(または接続箱)です。密閉性が低く、防爆仕様ではありません。 ハ. 防爆構造のユニオンカップリングです。管の接続部から火炎が漏れないよう工夫されています。 ニ. 防爆構造のプルボックスです。蓋と箱の接合面に十分な合わせ面(フランジ)が確保されており、耐圧防爆性能を有しています。
このように、外見上の「堅牢さ」と「接続部のねじ込み仕様」を確認することで、防爆エリアに適した部材かどうかを判断できます。
現場における実務上の重要性
この知識は、製粉工場、薬品工場、塗料工場などのプラント設備を扱う電気工事士にとって生命線となります。一般住宅とは異なり、これらの場所では「なぜ一般的な部材を使ってはいけないのか」というリスクを深く理解しておく必要があります。
単に試験に合格するためだけでなく、万が一の爆発事故を防ぐという安全思想の根幹に関わる部分です。試験ではこのように、特定の過酷環境下での制約条件を問う問題が頻出するため、写真から「部材の構造」を読み取り、「この構造であれば爆発を防げるか?」と常に連想できる訓練をしておくことが重要です。