第一種電気工事士試験 / 令和5年度 学科試験 / 問37
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令和5年度 学科試験 問37 解説 直流漏れ電流測定

6600V CVTケーブルの直流漏れ電流測定 の結果として、ケーブルが正常であることを 示す測定チャートは。

選択肢図
  1. イ. ✓ 正答
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.

解説

6600V CVTケーブルの直流漏れ電流測定における正常なチャートを見分けるには、「最初は充電電流の影響で電流値が大きいが、時間経過とともに減少し、最終的に一定値(絶縁抵抗成分による電流)に収束する」という特性に着目します。正解はイです。

測定チャートを読み解く物理的メカニズム

直流高電圧をケーブルに印加した直後、回路には以下の3つの電流が流れます。

  1. 充電電流(容量性電流)
  2. 吸収電流(誘電体吸収電流)
  3. 漏れ電流(絶縁抵抗成分)

測定開始直後は、ケーブルの静電容量を充電するための充電電流が非常に大きく流れます。しかし、ケーブルが完全に充電されると充電電流は流れなくなり、次に絶縁体内の電荷の偏りによる吸収電流が流れますが、これも時間とともに指数関数的に減少します。最終的には、絶縁体の抵抗分を流れる純粋な漏れ電流だけが残ります。

このため、正常なケーブルであれば、測定開始直後に急激に電流が下がり、ある程度時間が経過するとほぼ水平な一定値に落ち着くというグラフ(イの形状)を描きます。

異常なチャートが示す故障の予兆

他の選択肢は、何らかの異常を示唆しています。

  • ロや二のように、一度下がった電流が再び上昇に転じるパターンは、絶縁破壊が始まっている可能性や、過熱による絶縁体劣化などが考えられます。
  • ハのように電流値が不安定に上下変動するパターンは、測定回路の接触不良や、沿面放電などが起きている可能性があります。

これらの波形は、試験電圧を印加し続けた際に絶縁が耐えられず、リーク電流が増大している状況を視覚的に表しています。

実務現場における試験の重要性

この知識は、高圧電気設備の竣工試験や定期点検において、ケーブルの絶縁状態を非破壊(正確には絶縁耐圧試験を破壊試験と呼ぶことがありますが、電流を監視することで破壊に至る前に試験を止めることができます)で診断する際に不可欠です。

特に直流漏れ電流測定は、交流の耐圧試験よりも機器が小型で済むという利点があります。現場では、グラフの数値そのものも重要ですが、この「時間に対する変化のトレンド」を監視することで、絶縁劣化の初期段階を捉えることができます。

試験合格後、現場で高圧ケーブルの試験に立ち会う機会があれば、測定器の出力だけでなく、電流の減衰特性を記録するチャートが滑らかに収束しているかを必ず確認してください。それが、そのケーブルが適切に施工され、健康な状態であることを証明するエビデンスとなります。

参考リンク

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