第一種電気工事士試験 / 令和5年度 学科試験 / 問26
certification-simodake-work

令和5年度 学科試験 問26 解説 工具と材料の組合せ

設問図

次に示す工具と材料の組合せで, 誤っているものは。

選択肢図
  1. イ.
  2. ロ. ✓ 正答
  3. ハ.
  4. ニ.

解説

この問題は、試験に頻出する「工具」と「適用される材料」の正しい組み合わせを問うものです。誤っているものを見つけるためには、各選択肢の工具が本来何のために使われるのか、その機能を一つずつ照らし合わせることが近道です。

工具と材料の正しい関係性

第一種電気工事士の試験では、多くの専用工具が登場します。それぞれの役割を整理します。

  • イ:張線器(カムラー等のつかみ金具とセットで使用) メッセンジャーワイヤなどを引っ張り、規定の張力をかけるために使用します。
  • ロ:裸圧着端子用圧着工具(画像は手動油圧式圧着器) 右側の材料は「裸圧着端子」です。ボルトとナットで締め付ける構造をしており、太い電線を接続する際に用います。
  • ハ:ボードアンカー打ち込み工具 中空壁(石膏ボードなど)に器具を取り付ける際、ボードアンカーを固定するために使用します。
  • ニ:リングスリーブ用圧着工具(JIS規格品) 画像に示されている材料は「リングスリーブ」です。リングスリーブは、電線同士を接合するために用いるスリーブであり、これには専用の圧着工具が必要です。

誤りを見抜くための思考プロセス

この問題で「ロ」が誤りであると判断する根拠は、提示された材料の性質と、工具が持つ「圧着対象の適合性」にあります。

まず、ロの右側に示されている材料は、ボルト締めタイプの「裸圧着端子」です。一方、圧着工具(特に手動油圧式のような大型のもの)や、圧着作業そのものの定義を考えた際、リングスリーブと裸圧着端子は、それぞれ専用のダイス(圧着する部分の金型)で加工する必要があります。

もしこの問題の選択肢が「ロ:圧着工具とリングスリーブ」のように書かれていた場合、一見合っているように見えるかもしれませんが、実際の試験では「工具の適正な組合せ」が問われます。特にニの選択肢にあるような「圧着ペンチ(リングスリーブ用)」と「リングスリーブ」の組み合わせが試験における標準的なセットであることを理解していれば、ロのような大型工具をリングスリーブの接続に用いることは通常考えられない、あるいは図示された材料と工具のスペックが乖離しているという観点から、消去法で誤りを選択できます。

現場作業における工具の役割

電気工事士試験で工具の知識が問われる背景には、正しい工具を使わなければ「施工不良」や「接続欠陥」を招くという現実があります。

例えば、リングスリーブに対して不適切な圧着工具を使用したり、裸圧着端子をペンチで無理やり締め付けようとしたりすれば、接触不良による異常発熱や、最悪の場合、接続箇所からの脱落・火災の原因となります。第一種電気工事士の試験は、受電設備を含む高圧工事にも関わるため、工具一つひとつの用途が厳格に定められています。

「なぜこの工具がこの材料になのか」を考えることは、単なる暗記ではなく、施工の安全性を担保するための第一歩となります。実務では、カタログや取扱説明書を必ず確認し、メーカーが推奨する正しい組み合わせで施工することが求められます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう