令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問46 解説 試験用端子の名称
⑥で示す図記号の器具の名称は。
- イ. 試験用端子(電流端子)
- ロ. 試験用電流切換スイッチ
- ハ. 試験用端子(電圧端子) ✓ 正答
- ニ. 試験用電圧切換スイッチ
解説
この問題は、単線結線図上の計器用変成器(VTやCT)二次側に描かれた四角い箱(試験用端子)が、電圧用なのか電流用なのかを識別する問題です。試験用端子の記号自体は似ていますが、接続されている回路の目的を判別することで正解を導き出せます。
記号の識別ポイント
試験用端子とは、高圧受電設備において、計器類や継電器の点検・試験を容易にするために設置される端子台のことです。図記号として四角の中に何が接続されているかで判断します。
- 試験用端子(電圧端子):計器用変圧器(VT)の二次側に接続され、電圧を供給するための回路です。
- 試験用端子(電流端子):変流器(CT)の二次側に接続され、電流を供給するための回路です。
今回の問いで⑥が電圧計や電圧切換スイッチへとつながるライン上にある場合、それは電圧端子であると判断します。電流端子の場合、一般的に電流計や過電流継電器の回路に関連付けられます。
計器用変成器回路の構造と役割
高圧受電設備では、高圧電圧を直接計器や継電器に取り込むことはできないため、計器用変成器(VT・CT)を使用して、低圧(通常110Vや5A)に変換して取り扱います。
試験用端子は、設備が稼働している最中でも計器の交換や継電器の特性試験を安全に行うために必須の機器です。特にCT回路において試験用端子を扱う際は、二次側を絶対に開放してはいけないという重要なルールがあります。もし開放してしまうと、CT内部で極めて高い電圧が誘起され、絶縁破壊や感電事故を引き起こす恐れがあるからです。このようなリスクを管理するためにも、試験用端子を用いて適切に短絡・開放操作を行う技術が求められます。
実務現場における試験用端子の重要性
この知識は、実際の電気主任技術者や電気保安業務に携わる現場で必須となるものです。定期点検の際、保護継電器の動作試験を行うには、試験装置の出力をこの試験用端子に接続する必要があります。
試験用端子には、電圧用と電流用で構造が少し異なります。電流端子には短絡機能(テストプラグを抜いてもCT二次側が自動的に短絡される構造)が備わっていることが多く、電圧端子にはその必要がありません。図面を見て「ここはCT回路だから電流用端子が必要だ」「ここはVT回路だから電圧用だ」と即座に判断できることは、設計や施工管理において不可欠なスキルです。この問いは、単なる暗記ではなく、回路図の役割を正しく理解しているかを問う非常に実践的な問題といえます。